中国で驚くべき光景が広がっています。数千台もの電気自動車が各地に放置されているのです。SNS上ではこれを「EV墓場」と呼び、話題になっています。
浙江省で目撃された「EV墓場」
中国の浙江省の広場には、同じ色やタイプのセダンが長い列を作って並んでいます。その周りには草が生い茂っており、放置されていることが一目で分かります。
中国のSNS上では、この「EV墓場」の映像が多数投稿されています。放置された電気自動車のナンバープレートは、緑色であることがわかります。また、別の場所では白や青、緑色の車が並んでいる様子も映っています。
普及した電気自動車が「EV墓場」に
実は、「EV墓場」はすでにおととしにも存在していました。映像に映っている2000台の電気自動車は、カーシェアリングに使われていた車両だったと言われています。
中国政府が製造・購入に補助金を出し、電気自動車が爆発的に普及しました。しかし、コロナ禍などの影響で多くのEVメーカーやEVカーシェアリング会社が倒産し、行き場を失った電気自動車が「EV墓場」に放置される事態になってしまったのです。
この状況について、連続起業家であるファリザ・アビドヴァ氏に話を聞きました。
━━この現状をどう見ますか？
「中国では、環境にいいという理由で電気自動車が普及し、国の補助金も出て社会的に受け入れられています。その流れでEV産業に関連するさまざまな技術が生まれ、他の分野でも活用できる優れた技術が出てきました。しかし、誰がリサイクルや廃棄物処理の責任を負うのか、製造会社やリース会社などの役割が明確にされていないまま、このような結果になったと思います」（ファリザ氏）
━━中国政府や企業はこの「EV墓場」をどう見ているのでしょうか？
「推測ですが、中国はEVの開発に戦略的に投資し、技術を高めて産業を育てました。ヨーロッパやアメリカ、日本に比べて、中国のEV技術は世界でもトップレベルであり、競争力もあります。中国はこの広大な「EV墓場」の状況やその後処理についてあまり気にしていないように感じます」とのことです。
このような状況が今後どう解決されるのか、注目が集まっています。
