高度引き上げ、4エンジン機を制限 国交省が羽田新ルートの騒音対策


 国土交通省は、羽田空港の新飛行経路に関し羽田に着陸する航空機の飛行高度を引き上げたり、エンジンが4基ある大型機の運用を制限したりするなどの騒音対策を明らかにした。その上で、新ルートの試験飛行を来年1月末、実際の運航を3月29日からの来夏ダイヤで始めたい意向だ。

 従来の東京湾上空から都心の上空へと変更する新ルートについて、国交省は今後想定される訪日客の増加に対応するための国際線増便に不可欠と位置づけており、ルート直下の自治体で住民説明会を開くなどして理解を求めている。

 国交省は騒音対策として、羽田の滑走路への着陸角度を従来の3度から3・5度に引き上げることで飛行高度を上げ、騒音影響の低減を図る考え。具体的にはJR新宿駅上空で約3千フィート(約910メートル)から約3400フィート(約1040メートル)まで飛行高度が上がることになるという。

 また、新ルートを運航する路線は、羽田からの距離が約6000キロ以内の国際線に限定し、6000キロを超える長距離路線については、新型の低騒音機を導入した場合にのみ認めるという。エンジンが4つあるジャンボジェット機などの大型機は制限して騒音低減を図る。

 既に国交省は低騒音機の導入を促すため、重くて騒音が大きい旧来の機材については着陸料を引き上げる方針を打ち出している。加えて、最新鋭の「A350-900」などの低騒音機材については来年2月から着陸料をさらに引き下げることで、一層の低騒音機促進を進める。

 騒音対策は東京都が7月30日に開いた会合で示した。会合では、参加した新ルートの飛行範囲となる特別区などの関係自治体が、住民説明会の継続実施▽駐機中の機体チェックなどによる落下物対策▽低騒音機の導入促進や騒音測定場所の設置と結果の公表▽飛行範囲内の不動産価格の調査-などを国交省に求める意見をまとめた。



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