記者の役割と井ノ原快彦氏の光と影:ジャニーズ会見を振り返る

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ジャニーズ事務所は10月2日、約1カ月ぶりに会見を開きました。社名変更や被害者への補償、新会社の設立が発表されたこの会見では、「一部の記者のマナー違反」と「井ノ原快彦氏の高いコミュニケーション力」が注目されました。

▪️記者のミスは何だったのか?

一部の記者は、会見の主役はジャニーズ事務所の関係者であって自分たちではないことを忘れていました。記者と活動家は異なる存在であるという指摘があります。

神庭亮介氏は、「その点を履き違えた一部の方が『自分は正義の記者なんだ』と、自己アピールに走っているように見えたのが残念だった。会見の主導権を握り、場の空気を支配した“コミュニケーションお化け”の井ノ原氏と“自己顕示欲モンスター”の一部記者のぶつかり合いが印象に残った」と述べています。

さらに神庭氏は、「本来であれば、『1社1問』という質問制限を不祥事企業が自分から言い出すことは不遜。ジャニーズ側に都合のいい組織防衛策として、もっと批判を浴びてもおかしくなかった」と説明しています。

しかし、会見の記者の振る舞いを見た視聴者は、「1社1問のルールをちゃんと守らない記者の方が悪いんじゃないの?」と疑問を抱き、記者自体に対する批判が広がってしまいました。

▪️記者の「本来の仕事」とは?

本来の記者の仕事とは何なのでしょうか? 神庭氏によれば、「権力の監視」は非常に重要な役割です。

例えば、この会見では、「実話ナックルズ」の記者が事務所を退所したタレントに圧力をかけないように求め、東山社長に「応援したい」と約束させました。さらに、9月の会見ではジャーナリストの松谷創一郎氏が東山社長に鋭く切り込み、競合のボーイズグループや退所者を妨害しない、忖度は必要ないという言質をとりました。これらの記者たちは非常に素晴らしい仕事をしていると言えるでしょう。

神庭氏はさらに、「不正を追及する志は否定しないが、記者の取材技術の問題もある」と指摘しています。

「実話ナックルズの記者も松谷氏も、無闇に声を荒らげたり、ドンドンと机を叩いたりしたわけではない。きちんとルールを守ったうえで、引き出すべき情報を引き出している。『怒れる正義の記者』という自己演出やパフォーマンスは必要ない」

記者の仕事は、質問の前に自説を述べるのではなく、ズバッと切り込んで情報を引き出すことだと神庭氏は述べています。

ここからの教訓は、記者は正義感でジャニーズを追及するのではなく、冷静に事実を追求する姿勢が求められるということです。

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