【ひふみんEYE】藤井竜王が戦意喪失させる勝ちっぷり くぐってきた修羅場の違いを見せつけた

藤井聡太竜王

<ひふみんEYE>

藤井聡太竜王が3連覇をかけてタイトル戦初登場の伊藤匠七段の挑戦を受ける、将棋の第36期竜王戦7番勝負第1局が7日、東京・渋谷の「セルリアンタワー能楽堂」で行われました。後手の藤井が勝利し、V3に向けて好スタートを切りました。この対局について、ひふみんアイの加藤一二三九段(83)が解説します。

藤井竜王の本領発揮

藤井竜王はこの対局で素晴らしいプレーを見せました。彼の優れた技術が際立っていました。先手で8筋の歩を突くなど戦局を有利に進め、終盤では絶妙なタイミングで桂馬を4筋に跳ね出し、絶好の位置に香を打ちました。特に香の田楽刺しは非常に強力で、「勝負あり」といえる一手でした。彼は価値の低い駒を巧みに活かす攻撃力が光りました。

仕切り直しの玉の早逃げ

終盤では他にも様々な勝ち方がありましたが、藤井は5筋最下段への玉の早逃げを選択しました。これにより相手の戦意を喪失させ、勝利を手にしました。彼が挑戦者よりも4年早くプロ棋士になり、8つのタイトルを獲得しようとしていることからも、彼がくぐり抜けた困難な道のりが伝わってきます。

経験の差を感じた

伊藤七段は対局に向けて研究を積み重ねたものの、タイトルを保持している藤井竜王とのキャリアの差を肌で感じたことでしょう。彼は竜王戦史上初めて、ランキング戦の5組優勝者として挑戦権を手に入れたほどの実力を持っていますが、ここまで勝ち上がってきた戦法を再確認し、自身の戦略を練る必要があります。また、時間配分も重要です。私は藤井竜王よりも多めに時間を使うべきだと思います。(加藤一二三・九段)

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