世界の子供たちに謝りたい - 40年間のユニセフ親善大使、黒柳徹子さんの想い

黒柳徹子さん

黒柳徹子さんが国連児童基金(ユニセフ)の親善大使として40年間の活動を終えました。黒柳さんは、ウクライナをはじめとする紛争や飢餓に苦しむ子供たちに対して、大人たちが助けることができなかったことを謝る気持ちを持っています。

100歳になったら、政治記者になって…

黒柳徹子さん

黒柳さんは取材に対して、40年前にユニセフ親善大使に就任した当初は、「100歳になったら政治記者になって、世の中の出来事を伝えたい」という夢を語っていました。しかし、その後の活動を通じて、世界中で苦しむ子供たちに対して何かできることはないかと考えるようになりました。

なぜ繰り返すのか

黒柳徹子さん

紛争や飢餓による子供たちの犠牲は減少しているものの、ウクライナ侵攻などの現実を見ると、まだまだ子供たちは苦しんでいます。黒柳さんは、「人間って学ばないんだなと思いますよね。ビートルズの『イマジン』を聴かなくたって、みんな戦争が起きたらどうなるかは分かっているはずなのに、なぜ繰り返すのか。本当に悲しくなってしまう」と嘆いています。

黒柳さんは、ルワンダ大虐殺の現場やエチオピアを訪れた際に、子供たちの悲惨な状況を目の当たりにしました。親を失った子供たちは自分が悪い子だったから親が殺されたと考えているといいます。黒柳さんは戦争そのものを許せないとし、「子供たちを助けてあげられなくてごめんなさい。みんながそんな境遇に陥るのを阻止できなかったことを、まず謝りたい」とつぶやきました。

不公平さに憤り

黒柳徹子さん

黒柳さんはユニセフ親善大使として39カ国を訪問しましたが、特に心に残っているのはエチオピアです。エチオピアを訪れた当時、やせ衰えた子供たちの写真を見て、「私が手を持っただけで折れてしまうのではないかと思うくらい、やせ衰えていました」と振り返ります。

黒柳さんは、「日本ではダイエット特集が組まれ、どうしたら食べないで済むかという話をしている一方で、エチオピアの子供たちがこんな思いをしている。『神様、不公平じゃありませんか』と言いたくなりました」と憤りを感じています。

子供たちは風がビュービュー吹いている中で大人の言う通りに物資を待っていたといいます。黒柳さんは、「もうどうしてあげたらいいのかしら」と問いかけながら話しました。


この記事の出典元: 日本ニュース24時間