衆参補選:自民党1勝1敗、徳島・高知で厳しい結果…与党内の「年内解散は難しい」との声

国会議事堂

衆議院長崎4区と参議院徳島・高知選挙区の補欠選挙が22日に行われました。衆議院長崎4区では、自民党の金子容三氏(40歳)(公明党推薦)が初当選を果たし、参議院徳島・高知選挙区では野党系無所属で前立憲民主党衆議院議員の広田一氏(55歳)が勝利しました。自民党は参議院補選で敗北し、また衆議院長崎4区でも強固な保守地盤に苦戦しました。この結果により与党内では「年内の衆議院解散は難しい」との見方が広まっています。

両補選の背景と結果

これらの補欠選挙は、9月に発足した岸田内閣にとって初めての国政選挙であり、物価上昇対策や岸田内閣の政治姿勢が争点となりました。どちらの選挙区も元々は自民党の議席でした。内閣支持率の低下も選挙結果に影響を与えたと考えられ、与党内では「このままでは衆議院選挙は戦いにならない」との声が上がっています。岸田首相は政権浮揚の方策を模索しながら、衆議院解散のタイミングを慎重に検討することになります。

衆議院長崎4区補欠選挙

衆議院長崎4区補欠選挙は、自民党の北村誠吾元地方創生相の死去に伴い行われました。この選挙では、金子氏と立憲民主党の末次精一氏(60歳)(社民党推薦)が一騎打ちを展開しました。

金子氏は22日の夜、長崎県佐世保市で「非常に厳しい戦いで勝利することができた」とコメントしました。金子氏は、北村氏と金子氏の父であり前参議院議員の原二郎元農相が岸田派に所属していたことから、同派の全面支援を受けました。自民党幹部も続々と現地入りし、党組織をフル回転させました。

末次氏の陣営は、立憲民主党の泉代表が応援に何度も訪れるなどし、政権批判の票を受け皿とすることを目指しました。共産党や国民民主党の地元組織からも支援を受け、追い上げをかけましたが、結果的には力及ばず終わりました。

参議院徳島・高知選挙区補欠選挙

参議院徳島・高知選挙区補欠選挙は、自民党を離党した高野光二郎氏が私設秘書を殴打したことにより実施されました。

広田氏は22日の夜、高知市内で記者団に対し「自民党一強状態に風穴を開け、政治に緊張感をもたらすことができた」と述べました。広田氏は無党派層を取り込む一方、立憲民主党や共産党、国民民主党、社民党の地元組織からも支援を受けました。また、広田氏は高知県で参議院議員を2期、衆議院議員を1期務めた経験も生かしました。

自民党は前高知県議の西内健氏(56歳)を擁立しました。首相や公明党の山口代表が応援演説に駆けつけるなど、テコ入れを図りましたが、選挙戦の逆風には対抗することができませんでした。自民党は徳島・高知での合区導入以降、初めて議席を手放す結果となりました。

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