菅義偉(すが・よしひで)官房長官は6日午前の記者会見で、国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」で「平和の少女像」(慰安婦像)などの展示が中止されたことをめぐり、立憲民主党の有田芳生(よしふ)参院議員が菅氏らを圧力をかけた「バーバリアン(野蛮人)」と批判したことに対し、「個別国会議員のコメントに一つ一つ答えることは差し控える」と述べた。
芸術祭は文化庁の補助事業として採択されている。菅氏は2日の記者会見で補助金交付に言及したことに触れ、「記者から質問があり、国民の税金で賄われている補助金の取り扱いに関することなので、文化庁で事実関係を確認した上で適切に対応するだろうと回答しただけだ」と説明した。主催者の中止判断への影響を重ねて否定した形だ。
有田氏はツイッターに、近代美術を堕落した「退廃芸術」と位置づけ、大量の作品を没収・略奪したナチス・ドイツなどを引き合いに出し、「(名古屋市の)河村たかし市長や菅氏は、芸術的価値を理解できないバーバリアンなのでしょう」とするコメントを投稿していた。