中絶後に判明した病名の告知ミス 女性に続く後悔

間違った病名の告知による後悔

「育てるのは大変だろう」という言葉に胎児の難病を知った妊娠中の女性は中絶を選びました。しかしそれから3カ月後、医師の病名の告知ミスが判明し、彼女は深い後悔に襲われたのです。

胎児の難病を告げられた誤った医師の告知

中国地方に住むマキさん(30代、仮名)は、自身の体験を毎日新聞の取材に証言しました。

マキさんは妊娠中の2021年9月にかかりつけの産婦人科クリニックで「羊水検査」という、胎児の先天的な病気を調べる検査を受けました。その翌月、クリニックの院長から検査結果が告げられました。

院長は胎児が「ウィリアムズ症候群」などの難病を患っており、「退院できるかもわからないし、きっと手術を繰り返すことになると思う」「付きっきりで介助しないといけない」と説明したそうです。マキさんは、当時1歳の長女の子育てもあることを考え、中絶手術を受けることを選びました。

異なる病名の告知による深いショック

しかしその後、マキさんは原因を調べるために大学病院を受診しました。大学病院の医師が羊水検査の報告書を読み、院長から告げられた病名とは異なることが判明しました。マキさんは、クリニックの説明よりも症状が軽いように感じ、「育てることができたんじゃないか。産んであげたかった」というショックを受けたのです。

誤った告知を認めたクリニック

マキさんがクリニックに説明を求めると、院長はミスを認めたそうです。

クリニックの説明によれば、クリニックが米国の検査会社によって作られた報告書では、マキさんのおなかから採取した羊水の中に含まれる胎児の細胞が分析され、報告書が作成されていました。この報告書では、国際的な表記ルールに基づいて、染色体の変化がアルファベットと数字で記載されていました。

しかし院長はこの記載を誤解して、7番染色体と22番染色体の両方に変化があると考え、それによって二つの難病にかかっていると誤った判断を下したそうです。

マキさんとクリニックの弁護士が話し合い、示談に至りました。毎日新聞は、示談書に「医療機関名を口外しない」という条項が含まれているため、クリニックに対しての取材は行っていません。

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