神奈川県平塚市は8日、渡部亮市議(40)が、市議選立候補のため市職員を辞める前後に、職場のパソコンから市民の個人情報など延べ約3万1千件を持ち出したと発表した。一部は選挙運動に利用された可能性がある。市個人情報保護条例違反の疑いがあるとして、県警への告発を検討している。
渡部市議は同日、市役所で記者会見し、「お世話になった人にあいさつするためにデータを入手した。選挙スタッフに渡したが、(選挙運動に)使われたかは分からない」とした。
渡部市議は市教育委員会に勤務していた昨年11月29日、市主催イベントに参加した市民の氏名や住所などのデータをUSBメモリーにコピー。退職翌日の12月22日にも職場を訪れ、同様にデータを持ち出した。
渡部市議は今年4月21日投開票の市議選で初当選。同17日に市民から「選挙はがきが送られてきた。個人情報が漏れているのでは」と市に連絡があり、データに含まれていた市民2人に選挙はがきが届いていたことを確認した。