7月20日投開票の参議院議員選挙が迫り、永田町は選挙モード一色だ。特に注目されるのは、都議選で議席を増やした新興勢力の参政党で、選挙区での議席獲得も視野に入れているとされる。一方、与党である自民党には逆風が強まっており、公明党と合わせた過半数維持が危ぶむ声も出ている。選挙後には政局が荒れる可能性も指摘されている。
参議院選挙を前に注目される参政党の候補者、さや氏の肖像写真
自民党 全国幹事長会議での石破首相発言
7月3日の公示を目前に控えた6月28日、自民党は東京・永田町の党本部に各都道府県連の幹事長を集め、全国幹事長会議を開催した。冒頭の挨拶でマイクを握った石破茂首相の表情は、いつになく険しいものだった。首相は、先の都議選で自民党が過去最低の議席に終わり、その一方で参政党などの新しい政党が議席を増やした結果に触れ、「厳しい結果を頂戴した。新しい政党が支持を集めている理由を党として分析し、参院選を戦う」と述べ、危機感をあらわにした。
与党過半数維持への道のり
石破首相は全国幹事長会議の前日、読売新聞の取材に対し、「非改選と合わせて与党過半数は必達目標だ」と強調していた。今回の参議院選挙では、定数248のうち改選となる半数の124議席に、東京選挙区の欠員1を加えた計125議席が争われる。自民・公明両党の非改選議席は75議席あるため、与党は合計50議席を獲得できれば過半数(125議席)を維持できる計算となる。自民・公明両党の今回の改選議席は66議席であることから、単純計算では16議席減らしても過半数維持は可能となる目標設定だ。
官邸の雰囲気と選挙情勢
政治ジャーナリストの青山和弘氏は、石破首相の雰囲気の変化について語る。「首相は国会閉会までは比較的機嫌が良かった。立憲民主党が内閣不信任案を出さなかったことに安堵し、『野田さんは立派なご判断をされた』と周囲に語っていたほどです。ところが今は、都議選の惨敗を受けて、官邸は重苦しい雰囲気に変わっています」。実際、自民党は全国45選挙区のうち、合区を含む32の1人区と、残り13の複数区のいずれでも苦戦が伝えられており、予断を許さない状況が続いている。
結論:不透明な参院選の行方
参院選を前に、自民党は都議選の結果や新興勢力の台頭により厳しい局面を迎えている。石破首相自身も「苦戦」を認める状況下、与党が目標とする過半数維持を達成できるかは不透明であり、今後の選挙戦の行方が注目される。官邸の重圧は増しており、選挙結果次第では政局の大きな変動も予想される。
【出典】
Yahoo!ニュース(週刊新潮)