ロシアの名門「ボリショイ・バレエ」。初めて外国人として入団したのは、岩田守弘さん（53）です。彼のバレエ人生は10月26日にピリオドを打ちました。最後の一日を密着取材したのは山本恵里伽キャスターでした。
元ボリジョイ・バレエ 岩田守弘（53）最後の日に密着
10月26日。一人のバレエダンサーが舞台を去りました。
岩田守弘さん、53歳、身長166センチ。彼は小さな身体でありながら、バレエダンサーとしては誰よりも速く、誰よりも高く飛びました。
彼はロシアの名門、ボリショイ・バレエに入団し、その圧倒的な存在感でロシアの人々に愛されました。44年間にわたって踊り続け、身体は悲鳴を上げていました。彼が打ち上げた物語は、最後のページに綴られました。
山本キャスターの質問: 今の気分はどうですか?
岩田さん：「気分は良いですよ。今日で終わりになると思うと、寂しい気持ちもありますが、ワクワク感の方が強いですね」
彼の表情はとても穏やかでした。この日、彼は日本舞踊とバレエを融合させた異色の作品を披露しました。
競演相手は、日本舞踊家の藤間蘭黄さん（60）と、還暦を迎えたバレエ界のレジェンド、ロシア人ダンサーのファルフ・ルジマトフさんです。
岩田さん：「もう彼の存在はすごいですよね。全部かっこいい。ありえないです。彼は素晴らしいことを言っていました。『自分を信じていなきゃダメだ』と。60歳になっているのに、まだ勉強をしているんですって。僕も勉強します」
岩田さんにとっての「憧れ」は、ロシア流のバレエを極めることでした。
19歳でロシアへ ボリジョイで220年の歴史上初の外国人ダンサーに
彼のバレエの始まりは9歳の頃でした。父親の影響で「ロシア流のバレエ」に憧れました。
岩田さん：「ロシアダンサーに憧れました。男らしさや人間性に惹かれました。バレエは私にとってロシアなんだと思っていました」
当時は旧ソビエト連邦の崩壊直前。彼が憧れた地は混乱していました。19歳の時、岩田さんはその地に飛び込んだのです。
