【批判を受けても続けたい】”トラック母さん”が再犯防止のために元受刑者を雇い続ける

村上結美さん
写真提供:日本ニュース24時間

愛知県東郷町にあるコウエイ物流の社長・村上結美さんは、11年前に会社を立ち上げました。彼女は当初、たった2台のトラックを持つ小さな運送会社で、幼い息子たちを家に残し、夜遅くまで仕事に打ち込んでいました。その努力が実を結び、現在ではトラックも15台に増え、会社の経営は安定しています。しかし、村上さんは自分の働きぶりが息子たちにさみしい思いをさせたことを後悔していました。彼女は息子たちの誇りになりたいと願い、何か背中を見せることができる方法はないかと考えました。そこで彼女が始めたのが「元受刑者を積極的に雇うこと」でした。

「人は一人では生きていけない」 悪循環を断ち切るために手を差し伸べる

村上結美さんの活動
写真提供:日本ニュース24時間

コウエイ物流のドライバーの半数以上が前科のある人々です。村上さんは出所したばかりの社員を食堂に連れて行き、おなかいっぱいご飯を食べさせます。住むところがない社員には寮を提供し、面倒を見ます。彼女は社会から孤立しやすい元受刑者を積極的に雇い、再犯を防止するためにサポートしています。

村上さんは、母子家庭になった時に人は一人では生きていけないと痛感しました。一人で何もかもやっていくことは不可能です。また、罪を悔い改め再起を図る努力をしても、社会から排除され孤立することで、再び犯罪に手を染める悪循環に陥ることがあります。この悪循環を断ち切るためには、まず「仕事」と「居場所」が必要なのです。

「ひとりぼっちで抱え込まないで」 家族のような温かい居場所作り

柴田宏文さん
写真提供:日本ニュース24時間

村上さんは仕事や住む場所を提供するだけでなく、生活面でもサポートできるようにしています。寮では先輩社員の柴田宏文さんが生活を共にし、仕事を終えた社員たちを笑顔で出迎え、手作りの温かい料理を振る舞います。

柴田宏文さんは「ひとりぼっちで抱えて色々問題を起こしちゃうっていうのがどうもありそう。中にはアットホームというものを経験したことない子もいるので、経験をしてもらえたらいいなと。最終的には再犯防止。これが全てですので」と語ります。

法務省のホームページによると、犯罪や非行の原因は「家族や地域社会とのつながりが希薄で孤立しているといった問題を抱えている者も少なくない」とされています。安心して帰れる場所があること、困ったことがあったら相談できる家族がいることは非常に重要です。しかし、恵まれない環境に育ったために犯罪を犯す人もたくさんいます。再犯を防止するためにも、社会でも家庭でも孤立させないことが重要なのです。

この活動は村上さん自身が母子家庭になった時に感じた思いから始まりました。彼女は元受刑者たちが社会に復帰し、自分自身を取り戻せるよう、全力でサポートし続けています。

ソースリンク: 日本ニュース24時間