「横浜駅まで1時間以上」徒歩10分のはずが Kアリーナ混雑で課題

「Kアリーナ横浜」の外観

9月29日、横浜・みなとみらい地区にオープンした2万人収容のコンサートホール「Kアリーナ横浜」(横浜市西区)で、ライブ終了後に観客が退場するのに時間がかかり、周辺の歩道が人であふれているとの声が広がっています。運営会社は改善に取り組んでいますが、課題を解決することは容易ではないようです。

Kアリーナ横浜は音楽ファンにとっての聖地

Kアリーナ横浜は世界最大級の音楽専用アリーナで、横浜市出身の「ゆず」のこけらおとし公演を皮切りに、国内外のアーティストがライブを開催しています。横浜駅東口まで徒歩約10分とアクセスも良いため、多くのファンが足を運んでいます。

ライブ終了後の退場の難しさ

しかし、SNS上では「退場は地獄」「横浜駅まで1時間以上かかった」といった声も見受けられます。実際に、運営会社の問い合わせフォームにも10件ほどの指摘が寄せられ、14日には公式ホームページに「ご来場の皆様に大変ご迷惑をおかけしていることをお詫び申し上げます」といった文書が掲載されました。

運営会社によると、雑踏事故の防止のため、退場時には規制が行われているそうです。しかし、ルートが一つになることで横浜駅への到着時間が想定よりも遅くなっていることや、歩道が狭い場所の改善など、さまざまな課題が存在しています。

地域振興のための取り組み

Kアリーナ横浜周辺は「観光・エンターテイメント」を軸に街づくりが進められており、横浜市はライブの観客に地域を回ってもらうことを目指しています。しかし、実際にはライブが終わった後、観客はすぐに横浜駅に直行してしまうため、周辺が混雑する原因にもなっているようです。

市の担当者は「来場者で混雑することを避けるためにも、公演後に街に繰り出す効果的な回遊策を打ち出していきたい」と話しています。また、現在整備中のアリーナから横浜駅方面へと続く約130メートルの「高島水際線デッキ(仮称)」が完成すれば、周辺の混雑が緩和される見込みです。ただし、デッキの使用開始は来年秋ごろの予定となっています。

ゆずのライブが再び開催される18日と19日には、多くのファンが訪れることが予想されます。運営会社と横浜市が一体となって課題を解決し、さらなる快適なライブ空間を提供していってほしいと願います。

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