43歳のゾウ、比動物園で死ぬ 「独房」との非難も保護区への移送かなわず

マリ
フィリピンの首都マニラにある動物園で、マリという名のゾウが長年飼育されていましたが、29日、市長がマリの死を明らかにしました。マリは、保護区への移送を求める声が世界中の動物愛護活動家から上がっていましたが、結局、移送されないままでした。

マリの生涯

マリは、マニラ動物園で飼育されていたゾウで、推定43歳でした。マリは生後11か月の時にスリランカからマニラにやってきたと言われています。1990年にもう1頭のゾウが亡くなって以来、マニラ動物園で唯一のゾウでした。

マリは園の人気者でしたが、活動家たちは何十年もの間、マリがコンクリートの「独房」に閉じ込められていると非難していました。

マリの死因

マニラ動物園の獣医師は、検視の結果、マリが膵臓がんであることがわかったと明かしました。マリの世話が不適切だったのではないかという疑惑も浮上しましたが、獣医師は「われわれは家族だった」と述べ、それを否定しました。

ソーシャルメディアでは、マリの死を悼む声や、保護区への移送を拒否した動物園と当局を批判する投稿が相次いでいました。

移送を求める運動

動物愛護団体「動物の倫理的扱いを求める人々の会(PETA)」は、2005年からマリの移送を求める運動を開始しました。この運動には、英歌手モリッシーさんや野生動物保護活動家のジェーン・グドール博士、ノーベル文学賞受賞者のJ・M・クッツェー氏など、多くの著名人が賛同しました。地元のキリスト教司祭たちも、マリをタイの保護区へ移送するよう求める嘆願書に署名し、フィリピン政府に提出していました。

しかし、市長は、マリは飼育期間が長すぎたため「外では生きていけなかった」との見解を示し、移送を拒否した市の決定を擁護しました。今後は、マリの骨格標本が園内の博物館に展示される予定です。

参照リンク:日本ニュース24時間