イタリア、「一帯一路」構想からの離脱を中国に通知

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イタリアが中国の巨大経済圏構想「一帯一路」から離脱することを中国政府に通知しました。ジョルジャ・メローニ政権は6日、年末の期限を前に離脱の通達を行いました。

イタリアの「一帯一路」への参加と批判

イタリアは西側主要国で唯一、中国の「一帯一路」構想に参加していました。しかし、2019年に参加を表明した際にはアメリカや他の西側諸国から大きな批判を浴びていました。

中国の習近平国家主席が2013年に発表した「一帯一路」構想では、アジアから欧州にかけて計1兆ドル(約150兆円)を投入する予定です。この計画には鉄道や海港の新設や更新などを通じて、中国と欧州やアジアの他地域を結ぶという目標が含まれています。

しかし、アメリカ政府は当初から、「一帯一路」構想が「債務トラップ外交」の一例だと批判してきました。アメリカ政府によれば、この計画には各国が資金を調達できないような持続不可能な大規模プロジェクトが含まれており、中国が自国の目的のために他国に影響力を行使できる可能性があるとのことです。

さらに、欧州連合(EU)からは特に東欧・南欧の18カ国が「一帯一路」構想に参加しています。イタリアはその中で最大の経済国であり、参加は年末までに通達しない限り、来年3月に自動的に更新される予定でした。

イタリアの離脱と友好関係の維持

一方で、メローニ首相は前政権が「一帯一路」に参加した決定を「大きな間違い」と述べ、離脱を考えていることを示唆していました。しかし、メローニ政権は離脱をする一方で、中国との友好関係を維持したいとも強調しています。

イタリアへの最大200億ユーロ相当の投資は、約束された額の一部しか実現していません。イタリアの昨年の対中輸出額は164億ユーロであり、これに対して中国からの対イタリア輸出額は317億ユーロから575億ユーロに増加しています。

また、ユーロ圏の2大経済大国であるフランスとドイツは「一帯一路」構想に参加していませんが、中国との貿易額はイタリアよりもはるかに大きいです。

メローニ首相は昨年の就任以来、前任者たちよりも欧米寄りで北大西洋条約機構(NATO)寄りの外交政策を主導してきました。今回、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長と習主席との首脳会談が予定されており、フォン・デア・ライエン委員長は習主席に対し、ソーラーパネルや電気自動車などの安価な商品の供給を抑制するよう警告する見通しです。

(英語記事 Italy pulls out of China’s trade route pact)

ソースリンク: 日本ニュース24時間