ハトをひき殺した運転手の逮捕・拘束、正当なのか?弁護士が疑問を呈する

ハトの群れスレスレを通る車

東京・新宿区の路上で、タクシー運転手がハトをひき殺したとして逮捕され、物議を醸しています。この事件は目撃者の通報により発覚し、警視庁が獣医による解剖を行い、ハトの死因を特定しました。さらに、防犯カメラやドライブレコーダーの映像から容疑者を突き止めました。運転手は逮捕容疑を認め、供述の中で「殺すつもりはなかった」「道路は人間のものなので、よけるのはハトの方」と話しています。

ハトをひき殺した経緯

ハト1羽ひき殺して逮捕 経緯

ハトをひき殺す瞬間には、目の前にハトがいても思い切り急発進し、時速50キロ制限の道路を約60キロで走行したとの通報が寄せられました。警視庁は「プロのドライバーなので模範となるような運転をしてほしい」「年末には酔っ払いの飛び出しや路上で寝ている可能性もある。規範意識を持って運転してほしい」とコメントしています。

弁護士の見解

井垣孝之弁護士

ロー・リンクス法律事務所所属の井垣孝之弁護士は、「『模範となるような運転を』という目的で逮捕を行うことは、違法です。逮捕は重大な人権侵害であり、留置所での拘留や実名での報道などの影響を受けます。逮捕は、被疑者の身柄を確保し、証拠を収集・保全するために行われるべきです。不当な目的で逮捕する必要はありませんし、本人を呼び出して注意するだけで十分です」と語りました。

逮捕の要件は、「被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる理由がある」「逮捕の必要性がある」とされています。逃亡のおそれや罪証隠滅のおそれが主な必要性とされていますが、この事件はそれらの要件を満たしていたのでしょうか。

この問題について、ネット上では「現代の生類憐みの令」「厳しすぎる」といった声も挙がっています。この議論については今後の展開が注目されます。

引用元:Yahoo!ニュース

※掲載元:日本ニュース24時間