オランダ裁判所がイスラエルへのF35部品輸出差し止め請求を棄却

イスラエル・スデロトから撮影した、パレスチナ自治区ガザ地区上空を飛行するイスラエル軍のF35戦闘機(2023年10月29日撮影、資料写真)。

オランダの裁判所は、イスラエルがパレスチナ自治区ガザ地区で使用するF35戦闘機の部品について、複数の人権団体が申し立てを行っていた輸出差し止めの請求を退けました。これにより輸出は継続されます。

イスラエルとハマスの軍事バランス

ハーグの地方裁判所は、部品の供給は政治的決定であり、裁判所は介入すべきではないとの判断を示しました。

国際人権団体アムネスティ・インターナショナルのオランダ支部など複数の人権団体は、F35の部品を供給すれば、イスラム組織ハマスとの衝突でイスラエルが犯している国際法違反に加担することになると訴えていました。

オランダの倉庫に保管されている米国所有のF35の部品は、既存の輸出合意に基づき、イスラエルを含むパートナーに輸出されています。

オランダ当局は、F35を保有する全パートナーへの部品供給を取り仕切っているのは米国であり、オランダに介入権限があるかどうかも不明だとの認識を示していました。

政府は議会に提出した書簡で、「イスラエルのF35配備について現在把握している情報からは、F35が国際人道法の深刻な違反に関与しているとは立証できなかった」と説明していました。

これについて、申し立てを行った人権団体の代理人弁護士は「ナンセンス」と一蹴しました。政府は「ガザのインフラや民間施設の甚大な破壊被害」をよく把握しているはずだと述べました。