岸田首相の時折涙ぐむ〝異変〟 政権は断末魔か 浜田元防衛相が官房長官をあっさり断る

官房長官の林氏

臨時国会の閉会後、岸田文雄首相が記者会見に姿を現しました。しかし、この時、冷静な態度を保つ岸田首相が時折涙ぐんでいるように見えました。

岸田首相は滑舌があまり良くないとして知られています。普段、話す言葉ひとつひとつを頭の中で確認しながら話すタイプですが、この日は特に言葉に詰まることが多かったようです。

政権の中心から安倍派(清和政策研究会)を外すことは、既定の路線でした。閣僚の中で官房長官、経産相、総務相、農水相の4つのポストを交代させることになりました。特に官房長官のポストは重要で、「無派閥からの登用が必要」と言われていました。無派閥の官房長官であれば、派閥の問題とは無関係です。

しかし、岸田首相の希望だった浜田靖一元防衛相はあっさりと断られました。防衛相を2度務めた浜田氏は、岸田首相と同じく1993年に初当選しました。しかし、官邸での経験が少なく、「慣れないことはしたくない」という理由で断ったと言われています。

これはちょっと無理がある理由かもしれません。岸田政権の行く末は、ますます厳しい道になることが予想されます。

「首相の右腕」とも言われる官房長官のポストは誰にでも適任というわけではありません。最終的に、宏池会座長を務める”身内”の林芳正前外相が就任しましたが、9月の内閣改造で林氏を無役にするという選択は、果たして岸田首相の本意だったのでしょうか。

林氏は就任早々の17日にNHKの「日曜討論」で、派閥離脱の可能性について言及しました。首相になって2年2カ月も派閥のリーダーであった岸田首相との”差”を見せつけるような印象を与えました。

国民の声は日に日に厳しくなっています。ある自民党議員は「自分は1円もキックバックを受け取っていないのに、地元の反応が耐えられないほど厳しくなっている」と慌てています。

毎日新聞が行った世論調査では、内閣支持率が前回よりも5ポイント減の16%、不支持率が5ポイント増の79%に悪化しました。政党支持率では、自民党が7ポイント減の17%で、日本維新の会(13%)と国民民主党(4%)の合計と同じです。立憲民主党(14%)と共産党(5%)の合計を下回りました。他の調査でも内閣支持率や自民党の支持率は下がる一方で、反転の見込みはありません。

岸田首相が涙ぐむだけでは済まない状況になりつつあります。政権はまもなく断末魔の「叫び声」をあげるかもしれません。(政治ジャーナリスト・安積明子)

ソースリンク: https://news.yahoo.co.jp/articles/af973283ed986b07b20ed94390ea717b57ec269f