「アザラシの氷河くん」が就職氷河期世代を支援!その背景とは?

アザラシの氷河くんは、愛知労働局の就職氷河期世代支援キャラクターとして誕生しました。しかし、そのリアルな設定が話題を呼んでいます。愛知労働局によると、氷河くんは正社員になれずに契約社員として働いていたものの、過酷な労働環境から体調を崩し、引きこもりの経験があるという設定です。

「過酷な労働環境下で体調を崩し、ひきこもり状態」

氷河くんは40歳で、就活を頑張ったものの正社員になることができず、契約社員として働いていました。しかし、過酷な労働環境下で体調を崩し、ひきこもり状態が続いていました。最近は母親が通い始めた場所で同じ悩みを持つ人たちも参加できる『居場所』があることを知り、そこで時間を過ごすうちに、少しずつ他の人や社会とかかわりを持てる自信がついてきたそうです。

漫画には、氷河くんの母親である「氷河くんママ」やアライグマをモチーフにした「ひきこもり支援の新井さん」、ネコをモチーフにした「サポステの根子さん」といったキャラクターも登場しています。氷河くんママは、子どもがひきこもりになり心配しながらも、ひきこもりの子どもを持つ親同士で心を開いて話をすることができる集まりに参加し、心が軽くなったそうです。

漫画では、氷河くんが引きこもり状態から地域若者サポートステーションやハローワークなどの支援の場につながり、安定した就職先を見つけるまでの様子が描かれています。

「複数の支援団体に意見を聞き好反応でしたので採用」

氷河くんは2020年10月から活動を始めたそうです。愛知労働局の担当者によると、氷河くんの活動内容は、就職氷河期世代への支援の周知広報です。具体的には、ハローワークや支援機関が行っている支援内容の周知や、就職支援セミナーや企業説明会のイベントの周知を行っているそうです。

氷河くん誕生のきっかけは、就職氷河期世代の支援内容を周知するためにポスターを作成する計画があったのですが、文字ばかりの堅いイメージでは興味を持ってもらえないかもしれないと考え、キャラクターを導入することを検討しました。氷河くんは実際の氷河期世代の方をモデルにしているため、中には不快に思われる方もいるかもしれませんが、複数の支援団体に意見を聞いた結果、好反応があり採用されることになりました。

氷河くんをアザラシにした理由は、県下のハローワークで使用されているモチーフではなく、他県の労働局でも使用されていないモチーフであり、柔らかいイメージで描きやすかったからだそうです。

氷河くんのプロフィールは、お困りの方々がリアリティを感じてもらえるように設定されています。支援者団体との意見交換の中で、漫画などでの広報周知が提案され、その意見を参考に氷河くんのプロフィールが決められたそうです。

※本記事は「日本ニュース24時間」の一部です。

ソース:「アザラシの氷河くん」が就職氷河期世代を支援!その背景とは?