韓国ソウル近郊の抱川市と交流を続けている山梨県北杜市に対し、抱川市側から日韓関係の悪化を理由に相互訪問を断る文書が届き、今年の事業が中止されたことが分かった。
北杜市は、朝鮮半島で植林や陶磁器研究を行った浅川巧(1891~1931年)の出身地であることから、合併前の高根町だった平成14年から抱川市と相互訪問を行い、伝統芸能などを披露し合ってきた。
今年も10月と11月に互いの訪問が予定されていたが、今月21日に抱川市から「国民感情や国際的な事情を考慮すると交流は難しい」との文書が届いたという。日本政府が輸出管理で優遇措置を適用する「ホワイト国」から韓国を除外したことに始まる対日感情の悪化が理由とみられる。
文書には「関係が回復すればこれまで以上に交流を深めたい」ともあり、北杜市地域課は「残念だが、日韓関係が改善すれば交流を再開したい」としている。
両市の相互訪問は平成20年に竹島(島根県隠岐の島町)の問題で、翌年に新型インフルエンザの流行で中止になったことがある。