シェアサイクルで有田の自然堪能を 10カ所に30台配置し実証実験 和歌山・有田市


シェアサイクルの活用をアピールする関係者ら=和歌山県有田市

 和歌山県有田市は民間の事業者などと提携し、観光客や市民に自転車を貸し出す「シェアサイクル」の実証実験を始めた。海と山に恵まれた市内の自然環境の魅力を自転車で再発見してもらうのが目的。JR箕島駅や有田川温泉など計10カ所に駐輪場を設け、自転車計30台を配置している。

 シェアサイクル事業を展開する「オーシャンブルースマート」(東京)の専用アプリ「PiPPA(ピッパ)」に利用者が会員登録し、このアプリを使って自転車をレンタルする仕組み。

 実証実験に協力するソフト開発会社「NECソリューションイノベータ」(東京)は、各駐輪場の利用状況などを分析し、地域の課題を市に報告。地元の県自転車軽自動車商業協同組合有田支部も、自転車修理などでサポートする。

 市内では鉄道やバスなどの交通機関の運行本数が少ないため、観光客や市民の交通利便性を高める二次交通としてシェアサイクルを役立てる。

 市は、タチウオの漁獲量が豊富な箕島漁港や湯浅湾を一望できる「有田みかん海道」、山の斜面に民家が建ち並ぶ「矢櫃(やびつ)地区」など市内の地域資源のアピールに取り組んでいる。

 望月良男市長は「シェアサイクルの利用者に街の魅力に気づいてもらい、訪日外国人客の増加にもつながれば」と期待を寄せる。

 実証実験の期間は3年間で、利用状況によって本格運用するか検討する。

 利用料金は30分100円(税別)など。問い合わせは市産業振興課(0737・83・1111)。



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