【日米関係の要】ハリス副大統領:その役割と影響力

アメリカ合衆国副大統領。大統領に次ぐ要職でありながら、その役割は歴代によって大きく異なり、時に「権力なき閑職」と揶揄されることもありました。しかし、近年では副大統領の役割は拡大傾向にあり、特にジョー・バイデン政権におけるカマラ・ハリス副大統領は、その存在感を強く示しています。

 

【日米関係の要】ハリス副大統領:その役割と影響力

ハリス副大統領:アメリカ初の女性副大統領

2021年1月20日、ハリス氏はアメリカ史上初の女性副大統領、そしてアフリカ系・アジア系としても初の副大統領に就任しました。検察官、カリフォルニア州司法長官、連邦上院議員と、輝かしい経歴を持つ彼女は、バイデン大統領の重要なパートナーとして、内政・外交の両面で活躍しています。

国内政策におけるリーダーシップ

ハリス副大統領は、バイデン政権の重要政策課題である新型コロナウイルス対策、経済復興、人種差別問題、気候変動問題などにおいて、中心的な役割を担っています。特に、中小企業支援や広範なインフラ投資を柱とする経済対策、そして黒人差別撤廃運動「Black Lives Matter」を契機とした警察改革など、社会の構造的な問題に切り込む政策において、その手腕を発揮しています。

国際社会における存在感

外交面においても、ハリス副大統領は積極的に活動しています。バイデン大統領との緊密な連携のもと、中国との戦略的競争、ロシアのウクライナ侵攻、北朝鮮の核ミサイル開発など、国際社会が直面する課題に取り組んでいます。特に、アジア系初の副大統領として、インド太平洋地域との関係強化にも尽力しており、日本との同盟関係強化にも積極的に関与しています。

日米関係におけるハリス副大統領

ハリス副大統領は、就任後早い段階から日本との関係強化に意欲を示しており、2021年4月には菅義偉首相(当時)と電話会談を行い、日米同盟の重要性を確認しました。同年9月には、岸田文雄首相とニューヨークで会談し、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた連携強化で一致しました。

日米同盟の強化と新たな課題への対応

ハリス副大統領は、日米同盟を「インド太平洋地域、そして世界の平和と繁栄の礎」と位置付けており、その強化に積極的に取り組んでいます。特に、中国の台頭を念頭に、経済安全保障、サイバーセキュリティ、宇宙安全保障など、新たな分野での連携強化を推進しています。

ハリス副大統領:日米関係の未来を担う

ハリス副大統領は、その経験と手腕、そしてバイデン大統領との強固な信頼関係を基盤に、日米関係の更なる発展に貢献することが期待されています。日本としても、ハリス副大統領との連携を強化し、日米同盟の強化、そして「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、共に歩んでいくことが重要です。