無所属で戦うということ:衆院選における公認と非公認の大きな壁

今回の衆院選で、注目すべきは自民党派閥の政治資金パーティー裏金問題で公認を得られなかった候補者たちだ。世論の理解は得られないと判断した党本部の方針により、10人が無所属での立候補を余儀なくされた。彼らは「背水の陣」で選挙戦に挑むことになる。公認を得られなかったことで、彼らにはどのような困難が待ち受けているのだろうか。

比例復活なし:狭まる当選への道

公認候補と非公認候補の違い公認候補と非公認候補の違い

公認候補と非公認候補の最も大きな違いは、比例代表選挙への立候補の可否だ。公認候補の多くは、小選挙区と同時に比例代表にも立候補する、いわゆる「重複立候補」を行う。仮に小選挙区で敗北しても、比例代表で「復活当選」できる可能性が残されているのだ。

一方、無所属候補は比例代表に立候補できない。つまり、小選挙区で勝利することだけが、当選への唯一の道となる。過去に比例復活で当選経験のある候補者もおり、今回の選挙戦はまさに「崖っぷち」の戦いと言えるだろう。

選挙活動の制約:ビラ配りもポスター掲示も不利に

衆議院選挙の街頭演説衆議院選挙の街頭演説

選挙活動においても、公認候補と非公認候補の間には大きな差がある。例えば、政策や経歴を伝える選挙ビラの配布枚数だ。公認候補は政党・政治団体分のビラが上乗せされ、無所属候補よりも多くのビラを配布することができる。

選挙ポスターの掲示場所も制限される。公認候補は政党・政治団体を通じて個人宅や商店にもポスターを掲示できるが、無所属候補は公営の掲示板にしか掲示できない。

これらの制限は、有権者へのアピール機会を大きく制約する。知名度向上や政策PRにおいて、大きなハンデを背負うことになるのだ。

無所属候補の勝利は困難だが、不可能ではない

このように、無所属候補は比例復活の道が閉ざされ、選挙活動にも大きな制約を受ける。しかし、過去の選挙では無所属候補が勝利した例もある。有権者一人ひとりに訴えかけ、共感を広げていくことができれば、勝利の可能性はゼロではないだろう。