中国株の乱高下:インフルエンサーの扇動と失望感が招いた個人投資家の悲劇

中国株バブル、わずか2週間で崩壊

中国株式市場で、インフルエンサーの過熱な扇動と政府の景気対策への失望感から、わずか2週間でバブルが崩壊する異常事態が発生しました。多くの個人投資家が「億万長者になれる」という甘い言葉に踊らされ、大損を被る事態となっています。

インフルエンサーの「買い煽り」に乗せられた投資家たち

今回の騒動の発端は、1000万人以上のフォロワーを抱える中国人インフルエンサーによる、中国株の買い煽りでした。このインフルエンサーは、中国当局が打ち出した金融緩和策や財政政策により、株価が急騰すると断言。「休明けにはさらに暴騰する」「全財産を投資すべき」などと、投資家心理をあおり立てていました。

altalt

この影響で、中国国内では投資熱が過り、東京証券取引所に上場する中国株の上場投資信託(ETF)も連日ストップ高を記録。1219円近辺だった取引価格は、一時7万400円にまで暴騰しました。

景気対策への失望感が引き金に

しかし、中国の祝日明けに市場が再開すると、状況は一変。期待されたほどの景気刺激策が打ち出されなかったことから、失望感が広がり、株価は急落しました。

altalt

ソニーフィナンシャルホールディングスの渡辺浩志シニアエコノミストは、「経済対策への期待値が高すぎたため、失望感が広がり、調整局面に入った」と分析しています。

インフルエンサーは雲隠れ、投資家は損失に苦しむ

株価の暴落により、インフルエンサーの言葉を信じて投資した人々は大きな損失を抱えることに。SNS上では、「全財産を失った」「食事もまともに取れない」といった悲痛な叫びが相次いでいます。一方、騒動の張本人であるインフルエンサーは、アカウントを削除して姿をくらましており、責任を問う声が高まっています。

専門家「冷静な投資判断を」

今回の騒動は、インフルエンサーの言葉やSNS上の情報に安易に飛びつくことの危険性を改めて浮き彫りにしました。ニッセイ基礎研究所の井出真吾主席研究員は、「短期間で60倍もの値上がりは異常。投資は冷静な判断とリスク管理が重要」と警鐘を鳴らしています。

今回の中国株の乱高下は、個人投資家にとって大きな教訓となりました。投資を行う際は、信頼できる情報源に基づいて、自己責任で判断することが重要です。