ホテル客室の意外な「不衛生スポット」と賢い利用法:専門家が明かす夏旅の注意点

夏のバカンスシーズンを迎え、海外旅行や国内旅行を楽しむ人々で空港は賑わいを見せています。旅の拠点となるホテルの客室は清潔に見えても、実は思わぬ「不衛生な場所」が潜んでいる可能性があります。快適な滞在のためにも、専門家が指摘する雑菌が潜むスポットとその対策を知っておくことが重要です。

夏休みシーズンで賑わう空港の様子:海外旅行へ出発する旅行客夏休みシーズンで賑わう空港の様子:海外旅行へ出発する旅行客

「見た目は清潔」でも要注意:見過ごされがちな細菌の温床

米紙ニューヨーク・ポストがヒューストン大学の研究を引用して報じたところによると、一部のホテル客室では、雑菌の数値が病院の基準より最大10倍以上高いケースもあったといいます。視覚的には綺麗に見えても、驚くほど多くのバクテリアやウイルスが潜んでいる可能性があるのです。記事は、ホテルの清掃時間が客室1室あたり平均30分と短いため、衛生面での死角が生じやすいと指摘しています。イタリアのあるホテルのハウスキーピング責任者も、「客室内の装飾品には全く手をつけないことが多い」と明かし、見過ごされがちな箇所の存在を示唆しています。

ホテル客室内の具体的な「不衛生スポット」と対策

専門家らは、衛生的にホテルを利用するために「客室で触れない方がよいモノ」と「チェックイン直後にやるべきこと」を紹介しています。

寝具の盲点:洗濯されない装飾品

まず最初に注意すべきは、ベッドに置かれたクッションや足元のカバーなどの「装飾用寝具」です。これらは一見清潔に見えますが、実は細菌の温床になっている可能性があります。元ホテルスタッフのReddit投稿が話題となったように、「ほとんどのホテルではこのような寝具類は洗濯せず、ベッドシーツだけを洗うことが多い」ため、これらを取り除くことが推奨されます。

最も汚い?頻繁に触れられる電子機器

次に注意すべき客室内のモノとしては、テレビのリモコン、電話機、スイッチなどが挙げられます。これらは多くの宿泊客が頻繁に触れるにもかかわらず、ほとんど消毒や洗浄が行われない典型的な備品です。ある専門家は「テレビのリモコンはホテル客室で最も雑菌が多いモノ」と指摘しており、そのデコボコしたデザインのため洗浄が難しいことが理由だと説明しています。実際に、「リモコンには1平方インチ当たり数百の微生物が存在する」とも述べられています。

飲食関連の危険性:氷入れやコップ

食べ物や飲み物に触れる氷入れやコップも、深刻な衛生問題を引き起こす可能性があります。ネバダ州ラスベガス大学の疫学助教授ブライアン・ラブス氏によると、過去にホテルでノロウイルスの集団感染が発生した際、ある宿泊客が氷入れに嘔吐したことがウイルス拡散の一因となった事例があります。旅行会社を経営するラデル・カーター氏は、対策として「旅行の際には電気ポットでお湯を沸かし、使用する物をよくすすぐ」こと、さらに「個人用の旅行グッズを持参するのもよい方法」だとアドバイスしています。

油断できない浴室:特に浴槽には要注意

ホテルの浴室もまた、油断できない場所です。2023年の調査では、浴槽には大量の雑菌が存在し、トイレの便座より最大40倍も多くのバクテリアがいることが判明しました。報道によると、「ホテルのバスルームは飛行機の中より汚い」という研究結果もあるほどです。ある旅行専門家は、「5つ星の高級ホテルでない限り、浴槽の使用は控えるべきだ」と述べており、特にジェットバス付きの浴槽は内部消毒が不十分な場合があるため、使用を避けるのが望ましいとしています。

まとめと賢い旅のヒント

ホテルの客室は快適な滞在を提供してくれる一方で、見えない雑菌が潜む不衛生なスポットも存在します。特に装飾用寝具、テレビのリモコンなどの電子機器、氷入れやコップ、そして浴槽は注意が必要です。これらの情報を知っておくことで、簡単な予防策を講じ、より安心して旅行を楽しむことができるでしょう。夏のバカンスシーズンを健康的かつ安全に過ごすために、賢い選択を心がけましょう。

参考文献

  • 米紙ニューヨーク・ポスト
  • ヒューストン大学研究
  • ネバダ州ラスベガス大学疫学助教授ブライアン・ラブス氏
  • 旅行会社経営ラデル・カーター氏
  • 元ホテルスタッフ(Reddit投稿)
  • イタリアのホテルハウスキーピング責任者
  • 旅行専門家