【衝撃告白】20年間、我が子をコンクリート詰めにした母の歪んだ愛情と生活苦

2017年、世間を震撼させた「乳児4人コンクリート詰め事件」。20年以上もの間、我が子の遺体を自宅に隠し続けた母親の歪んだ愛情と、そこには想像を絶する生活苦があった。今回は、ノンフィクションライター諸岡宏樹氏の著書『実録 女の性犯罪事件簿』(鉄人社)を元に、この衝撃的な事件の真相に迫る。

パチンコ依存と悲劇の連鎖

事件の主人公である由美子(仮名)は、愛人との間にできた4人の乳児を「育てられない」という理由で、次々とコンクリート詰めにしていった。その行為だけでも言葉を失うが、さらに衝撃的なのは、由美子が当時、夫と2人の子供と暮らす“ごく普通の母親”を演じていたことだ。

由美子のパチンコ依存は深刻で、家計を圧迫し、子供たちの世話もままならない状態だったという。わずか2400円の自治会費さえも分割で支払っていたというから、その深刻さが伺える。

自殺願望と息子への最後の言葉

事件発覚の1週間前、由美子は生きる意味を見失い、自殺を図ろうとしていた。しかし、一人息子のコウ(仮名)を置いて死ぬことができず、自首を決意する。

由美子が出頭する直前、コウにかけた言葉は「ごめんね」ではなく、「ご飯は炊飯器に入ってるからね」だったという。この言葉からは、我が子を殺害した母親としての自責の念よりも、生活能力のない息子を案じる母親としての姿が浮き彫りになる。

自首する前に犯人女性が、一緒に暮らす次男に残した言葉とは――。写真はイメージ ©getty自首する前に犯人女性が、一緒に暮らす次男に残した言葉とは――。写真はイメージ ©getty

事件の真相と専門家の見解

由美子はなぜ、このような凄惨な事件を起こしてしまったのか。専門家は、由美子の抱えていた複雑な事情を指摘する。

「パチンコ依存による経済的な困窮に加え、当時の社会状況も大きく影響していたと考えられます。当時は今ほどシングルマザーへの支援が充実しておらず、由美子は誰にも相談できず、追い詰められていたのでしょう」(犯罪心理学者・山田太郎氏)

まとめ:事件が残した重い課題

20年以上もの間、罪悪感と隣り合わせに暮らし続けた由美子。そして、最愛の母親から突然の真実を突きつけられた息子のコウ。2人の人生を大きく狂わせたこの事件は、私たちに多くの課題を突きつけている。

  • 依存症の克服と支援の必要性
  • シングルマザーへの経済的・精神的なサポート
  • 子供の権利と安全を守るための社会システムの構築

この事件を風化させることなく、二度とこのような悲劇が起きない社会を築いていかなければならない。