防衛省は30日、毎年11月に実施していた陸上自衛隊の観閲式、海上自衛隊の観艦式、航空自衛隊の航空観閲式を今後は中止する方針を発表した。安全保障環境の変化による自衛隊の任務の増加が理由という。
【写真】自衛隊観閲式に臨む陸上自衛隊員=2021年11月27日午前10時12分、陸上自衛隊朝霞駐屯地、代表撮影
同省によると、式典の実施には、全国から多数の部隊・装備を集結させなければならない。中国やロシアの軍事活動の活発化を背景に「自衛隊の本来任務である警戒監視、領空侵犯措置などの活動機会が増え、隙のない我が国の防衛態勢を維持する上で、実施困難な状況になった」(関係者)としている。他国との共同訓練が年々増えていることも理由という。
「観閲式」などは警察予備隊時代の1951年に始まり、現在は、年に1回陸海空の各自衛隊が持ち回りで開催してきた。コロナ禍もあって2020年から規模を縮小し、無観客で実施してきた。(佐藤瑞季)
朝日新聞社