中国経済の失速が招く影? 若者の間で広がる「格下げ消費」
中国経済の減速が鮮明化する中、若者の間で「格下げ消費」と呼ばれる現象が広がっています。これは、将来への不安から生活防衛意識が高まり、可能な限り節約をしようとする消費行動です。
北京郊外の光景: 仕事を求める人々の列と激安ファストフード
北京郊外の日雇い労働者が集まる街では、仕事を求める人々の姿が後を絶ちません。厳しい雇用環境を反映するように、人々の財布の紐は固く、ファストフード店では「格下げ消費」の象徴ともいえる光景が広がっています。
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中国発祥のファストフードチェーン「Wallace(华莱士)」では、ハンバーガーやチキンなどのセットを破格の値段で提供しています。その戦略は功を奏し、コロナ禍にもかかわらず売上を大きく伸ばしています。
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大手チェーンも巻き込む価格競争: KFCもスターバックスも対抗策を講じる
「Wallace」の台頭を脅威と感じた「ケンタッキーフライドチキン」も、週末限定の割引セットを導入するなど、価格競争に巻き込まれています。
カフェ業界でも同様の動きが見られます。スターバックスは、アプリを使った割引キャンペーンを実施するなど、顧客の節約志向に対応しています。
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一方、中国のコーヒーチェーン「ラッキンコーヒー」は、スターバックスの3分の1という低価格を武器に、中国市場でシェアを拡大しています。
コスパ重視の結婚式: マクドナルド挙式が象徴する中国経済の行方
「格下げ消費」は、結婚式という人生の晴れ舞台にも影響を与えています。なんと、マクドナルドで結婚式を挙げるカップルが現れているのです。
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専門家は、若者の間で広がる「格下げ消費」は、中国経済の先行きの不透明感を反映していると指摘します。長引くゼロコロナ政策の影響で、多くの企業が倒産し、雇用環境が悪化していることが、若者の消費意欲を著しく低下させているのです。
中国経済の今後: 「格下げ消費」が投げかける影
「格下げ消費」は、単なる節約志向の表れではなく、中国経済の深層にある問題を浮き彫りにしています。中国経済の回復には、雇用創出や賃金上昇など、根本的な対策が求められています。