アメリカ大統領選挙で民主党候補のカマラ・ハリス副大統領は、人気歌手テイラー・スウィフトのファン層を取り込もうと、精力的なアプローチを仕掛けています。特に、スウィフトの熱狂的なファンとして知られる「スウィフティーズ」と呼ばれる若年層への働きかけを強化しています。
若者への投票呼びかけにスウィフトのフレーズを活用
民主党全国委員会(DNC)は、スウィフトの楽曲や世界観を彷彿とさせるフレーズを巧みに取り入れた選挙キャンペーンを展開中です。例えば、「In My Voting Era(私の投票時代)」や「Be fearless for…(…のために恐れずに)」といったメッセージを、若者に人気のSNSプラットフォームであるSnapchatのフィルターに掲載し、投票を促しています。
スウィフトのコンサート会場周辺にも広告を展開
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DNCは、スウィフトのコンサート会場周辺での屋外広告展開にも力を入れています。10月18日から20日にかけてフロリダ州マイアミのハードロック・スタジアムでスウィフトのコンサートが3日間開催されるのに合わせ、会場近くに設置された巨大看板には、「カマラ時代(Kamala era)」への参加を呼びかけるメッセージが大きく掲出されました。
熱狂的ファンによる草の根運動も活発化
「スウィフティーズ・フォー・カマラ」という熱心なスウィフトファンによって結成されたハリス副大統領の支援団体も、活発な活動を行っています。マイアミでのコンサート期間中には、電話による投票呼びかけを実施したほか、21日にはハリス陣営と連携し、テキストメッセージを使った投票促進活動も展開する予定です。
ハリス副大統領自身もスウィフトへの好意を示す発言
ハリス副大統領自身も、スウィフトのファン層へのアピールを積極的に行っています。17日夜に開催されたチャリティー晩餐会にビデオメッセージで参加した際には、スウィフトのヒット曲「Shake It Off」の歌詞を引用したジョークを披露し、親近感をアピールしました。
スウィフト自身の動向に注目集まる
スウィフトは、9月10日の大統領選テレビ討論会直後に自身のインスタグラムでハリス副大統領への支持を表明しました。彼女はハリス副大統領を「冷静で有能なリーダー」と称賛し、副大統領候補であるミネソタ州知事のティム・ウォルツ氏については、「LGBTQ+の権利や体外受精、女性の身体に対する権利を守るために立ち上がっている」と評価しました。しかし、それ以降は選挙に関する言及は控えています。
大統領選挙の投票日を前に、スウィフトが再びハリス副大統領の選挙キャンペーンに積極的に関与するかどうか、注目が集まっています。
スウィフトのコンサートツアーは11月まで続く
スウィフトは現在、全米を回るコンサートツアー「THE ERAS TOUR」の真っ最中です。マイアミでの3公演の後も、ニューオーリンズとインディアナポリスでそれぞれ3公演を行い、11月にはカナダでの公演を控えています。
一方、ドナルド・トランプ前大統領は、スウィフトのハリス副大統領支持表明の数日後、自身のSNS「Truth Social」に「テイラー・スウィフトが大嫌いだ!」と投稿し、不快感をあらわにしました。
スウィフトの動向が、大統領選挙の結果にどのような影響を与えるのか、今後の展開に注目が集まります。