海上保安庁の新鋭練習船「いつくしま」、那覇港に初寄港!

沖縄の青い海に堂々と佇む、白い巨体が目を引きます。海上保安庁の最新鋭練習船「いつくしま」が、10月20日、那覇港に初めて姿を現しました。

海上保安体制の強化を象徴する最新鋭練習船

近年、日本の周辺海域における情勢は緊迫化しており、海上保安庁の役割はますます重要となっています。それに伴い、海上保安官の養成も急務となっており、練習船の拡充が求められていました。

「いつくしま」は、従来の練習船「こじま」よりも大型化し、総トン数は約5500トン、実習生の定員は100人と大幅に増強されました。広々とした船内には、最新鋭の設備が充実しており、未来の海上保安官を育むための最適な環境が整えられています。

2つのブリッジで効率的な訓練を実現

「いつくしま」の特徴の一つが、上下2段式のブリッジです。上部の操舵室は通常の航行業務に使用され、下部の操舵室は実習用に設計されています。これにより、実習生はより実践的な訓練を受けることが可能となりました。

海上保安庁の新鋭練習船「いつくしま」、那覇港に初寄港!

多様な経歴を持つ未来の海上保安官たち

「いつくしま」では、高卒者だけでなく、大卒者も海上保安大学校の初任科課程を経て、幹部候補生として乗船しています。元警察官だった大井慎太郎さん(29歳)もその一人です。

「子供の頃から海上保安官に憧れていた」という大井さんは、7年前、大卒者が海上保安大学校に入る道がなかったため、警察官として職務に就いていました。しかし、大卒者対象の初任科課程が新設されたことを知り、海上保安官への夢を諦めきれずに転職を決意しました。

大井さんのように、様々なバックグラウンドを持つ若者たちが「いつくしま」で研鑽を積み、未来の海上保安官を目指しています。

高卒・大卒の垣根を越えた絆

「いつくしま」では、高卒者と大卒者が一緒に実習を受けるため、年齢や経歴の異なる同期との交流が生まれています。大井さんは、「年齢差からくる見えない壁を感じていたが、『いつくしま』に集い、同じ釜の飯を食うことで、強い絆が生まれた」と話しています。

海上保安の未来を担う若者たちの船出

「いつくしま」は、海上保安体制の強化を象徴する船であると同時に、未来の海上保安官を育むための希望の船でもあります。この船から、日本の海を守り、国民の安全を守る、優秀な海上保安官が数多く輩出されることが期待されています。