ゼレンスキー大統領のNATO加盟・核武装発言にメドベージェフ前大統領が核戦争の可能性を示唆

ウクライナの安全保障強化に向けたNATO加盟または核武装の必要性を訴えたゼレンスキー大統領に対し、ロシアのメドベージェフ前大統領は、「汚い爆弾」製造の可能性を指摘し、核戦争の可能性を示唆しました。

メドベージェフ前大統領、ウクライナの「汚い爆弾」製造を主張

プーチン大統領の盟友であるメドベージェフ前大統領は、10月18日のTelegramへの投稿で、ウクライナが「汚い爆弾」を製造しようとしていると非難しました。これは、ゼレンスキー大統領が欧州理事会で、ウクライナの安全保障のためにNATO加盟か核武装のいずれかが必要だと訴えたことに対する反応です。

メドベージェフ前大統領は、「核兵器製造に関するウクライナの暴言を考慮すると、あのナチスまがいの政権が『汚い爆弾』を作ろうとしている、という悲しい結論に至るしかない。原料、技術、専門家など、そのための資源はすべてそろっている。」と述べ、ウクライナが「汚い爆弾」製造に必要な資源をすべて保有していると主張しました。

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ロシアによる「ネオナチ」非難と国際社会の反応

ロシア政府は、ウクライナ侵攻を正当化する理由として、ウクライナ政府を「ネオナチ政権」と繰り返し非難してきました。しかし、この主張はウクライナ政府だけでなく、国際社会からも強く否定されています。

西側諸国によるウクライナへの兵器供与とロシアの懸念

メドベージェフ前大統領の発言は、西側諸国がウクライナへの兵器供与を拡大する可能性が報じられる中で行われました。ウクライナは、アメリカとイギリスに対し、ロシア領内への攻撃を禁じられている陸軍戦術ミサイル(ATACMS)と長距離巡航ミサイル「ストームシャドウ」の使用制限の解除を求めています。

ウクライナは、ロシア軍の戦闘機が発着する空軍基地を攻撃するために長距離兵器が必要だと主張していますが、ロシアは兵器供与の拡大が戦争をエスカレートさせると懸念を示しています。

メドベージェフ前大統領による度重なる核兵器使用の示唆

メドベージェフ前大統領は、過去にもNATO加盟国への核攻撃やゼレンスキー大統領の殺害を示唆するなど、過激な発言を繰り返しています。9月にはTelegramへの投稿で、「ロシアは忍耐強いが、傲慢なアングロサクソンの間抜けたちが認めないのは、相手の忍耐力を試すことができる時間は、それほど長くないということだ」と述べ、核兵器の使用を示唆しました。

プーチン大統領も核兵器使用の可能性を示唆

プーチン大統領も9月、ロシアの核兵器使用に関する基本原則を見直し、ウクライナとその同盟国による挑発行為が「越えてはならない一線」を越えた場合、核兵器を使用する可能性があると警告しました。

アメリカはメドベージェフ前大統領の発言を「クレムリンの戯言」と一蹴

アメリカ国務省は、メドベージェフ前大統領の発言を「典型的なクレムリンの戯言」として重要視しない姿勢を示しています。

今回のメドベージェフ前大統領の発言は、ウクライナ情勢の緊迫化を改めて浮き彫りにするものとなりました。国際社会は、ロシアとウクライナの対話を促し、事態のさらなるエスカレートを防ぐために、あらゆる diplomatic effort を尽くす必要があります。