政治の世界と市民との距離
元明石市長の泉房穂氏は、「民主主義のもとでは、自分たちの社会は自分たちで作り、変えられる」という強い信念を持つ政治家として知られています。WEDGE Onlineのインタビューで、泉氏は日本の政治について、「政治の世界が国民、市民から遠すぎる」と率直な意見を述べました。
泉氏は、日本の歴史を振り返り、「日本は自分たちの力で民主主義を勝ち取った国ではない」と指摘します。アメリカ独立戦争やフランス革命のように、民衆が主体となって政治体制を変革した経験がないことが、日本の「お上意識」や「誰かがやってくれる」という依存体質につながっているというのです。
民主主義の実践者としての道のり
泉氏は自らを「民主主義の申し子」と称し、「人生の中で民主主義の実践を貫き通してきた」と語ります。
学生時代には、東大駒場寮の寮長選挙に立候補し、長年寮を支配していた体制に終止符を打ちました。寮生と共に、自分たちのルールで生活を作り上げる喜びを経験したことが、泉氏の政治家としての原点となっています。
市民が主役のまちづくり
明石市長時代には、「国に対して『上から命令するな』とよく言いました」と語る泉氏。市民に対しても、市から命令するのではなく、地域に任せることで、市民が自然と立ち上がる環境を作りました。
「一番遠いところで現地現物が見えてないような人たちが指示する時代ではない」と、従来の「国>都道府県>市町村>市民」というヒエラルキー構造を批判し、「ど真ん中が市民である」という信念のもと、市民一人ひとりの願いを叶えることを政治の軸に据えました。
日本を変える希望
泉氏は、インタビューの最後に「社会は必ず変えられる。日本にはまだまだ希望がある」と力強く語りました。それは、泉氏自身の経験に基づいた、揺るぎない信念です。
彼の言葉は、私たち一人ひとりに、自分たちの社会は自分たちで変えられるのだと、改めて気づかせてくれます。