上司が一目置く「仕事ができる若手社員」の3つの共通点とは?

現代のビジネス環境において、若手社員に求められる能力は多岐にわたります。しかし、上司が真に評価し、将来のリーダー候補として期待を寄せる「仕事ができる若手社員」には、共通する明確な特徴が存在します。彼らは単に与えられたタスクをこなすだけでなく、組織全体の成果に貢献する独自の思考と行動様式を持っています。今回は、数々の若手社員を見てきたビジネスの専門家が指摘する、上司が「この人は出世するだろう」と一目置く若手社員の三大特徴について詳しく解説します。

「自分で考える力」:本質を問い直し、説明できる思考力

上司から指示された業務や、会社の方針に対して、ただ盲目的に従うのではなく、「これは何のために行うのか」「根本的に、本当にやるべきことは何か」と、常にその本質を深く掘り下げて考える力を持つことが、第一の重要な特徴です。このような若手社員は、表面的な作業の背後にある目的や意図を理解しようと努めます。

彼らが自ら考えて行動に移した結果、「なぜその方法を選んだのか」と上司に問われた際も、その理由や思考プロセスを論理的かつ明確に説明できます。この能力は、単なる業務遂行能力を超え、問題解決や意思決定において不可欠な資質となり、信頼を築く上で極めて重要です。

「抽象と具体の行き来」:応用力を生む思考の柔軟性

二つ目の特徴は、「抽象的な概念と具体的な行動の間を自在に行き来できる能力」です。日々の業務や細かなタスクをこなす中で、そこから「これはこのような構造になっている」「このやり方は、このような法則に当てはまる」といった普遍的なパターンや原理を抽出し、抽象化して捉えることができます。

さらに、その抽象化された法則を、全く異なる新しい仕事や課題にも適用し、具体的な行動計画へと落とし込んで実行に移せるのです。このような高い応用力があれば、未経験の分野の仕事であっても、これまでの経験から得た知見を生かしながら効率的にプロジェクトを進めることが可能となり、組織内での価値を大いに高めます。

仕事に真摯に取り組む若手社員の様子。優れた若手の特徴は行動力と考える力にあります。仕事に真摯に取り組む若手社員の様子。優れた若手の特徴は行動力と考える力にあります。

「自分で手を動かし、やり切る力」:アイデアを行動に移す実行力

どんなに優れた戦略を頭で練り上げたり、物事の本質を深く理解したりしても、それを実際に形にできなければ意味がありません。上司が高く評価する若手社員の最後の特徴は、「自ら率先して行動し、最後までやり遂げる力」、すなわち実行力です。彼らは、泥臭く地道な作業も厭わず、困難に直面しても粘り強く最後までやり遂げようとします。

机上の空論に終わらせず、実際に手を動かし、試行錯誤を繰り返しながら具体的な成果を生み出すことができる。この圧倒的な行動力こそが、若手社員の成長を劇的に加速させ、最終的に組織全体の大きな成果へと結びつく原動力となります。アイデアを行動に移すことで、自身の可能性を最大限に引き出し、キャリアを大きく切り開くことができるのです。

これらの三つの特徴は、若手社員が成長し、組織内で影響力を高めるための基盤となります。自己成長を志す若手社員は、これらの能力を意識的に磨くことで、上司からの信頼を勝ち取り、将来の成功への道を切り開くことができるでしょう。

著者紹介・参照元

石倉秀明(いしくら・ひであき)氏
山田進太郎D&I財団 COO。株式会社リクルートHRマーケティング入社後、リブセンス、DeNA、起業を経て2016年より株式会社キャスター取締役COOに就任(2021年より取締役CRO)。2023年10月の東証グロース市場上場に貢献。同年12月からは働き方に関する研究・調査を行うAlternative Work Labを設立し所長に就任(兼任)。FNN系列「Live Newsα」、AbemaTV「ABEMAヒルズ」レギュラーコメンテーターを務める。著書に『これからのマネジャーは邪魔をしない。』(フォレスト出版)、『THE FORMAT 文章力ゼロでも書ける究極の「型」』(サンマーク出版)など。ダイヤモンド・オンライン会員限定で配信中の連載『「40代で戦力外」にならない!新・仕事の鉄則』の人気記事をまとめた電子書籍『結果を出す人の仕事術』も発売中。

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