「かなりしんどくなる」現場から懸念の声 議論呼ぶ高齢者医療費負担、原則3割の維新公約


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■年金暮らしで余裕なく

「1割と3割ではだいぶ違う」

奈良県大和高田市で一人暮らしをしている無職、西山晴雄さん(75)は、こう言ってため息をついた。大きな持病はないが、昨年夏頃に健診を受けたところ、コレステロール値と血圧が高いことが分かった。今は月に1度、近くのかかりつけ医に通い、1割負担で700~800円を支払う。3割負担になると、費用が3倍に増えることになる。

約10年前に退職し、収入は年金のみで半額以下に。物価高もあって公共料金や食費で多くが消え、余裕はない。「3割負担になればかなりしんどくなる」。近頃は腰に痛みがあり整体師にマッサージもしてもらうようになった。西山さんは「これから年を取って病院に行くことが増えるかもしれず、心配だ」と表情を曇らせた。

■原則3割か対象拡大か

高齢化が進み、医療費は膨張している。このため令和4年10月に75歳以上の後期高齢者の窓口負担割合が見直され、これまで1割負担だった人たちの中で、一定以上の所得のある人の負担割合が2割に引き上げられた。

昨年末に閣議決定した社会保障の改革工程表では、年齢に関わりなく能力に応じて支え合うという観点から、3割負担の対象拡大を検討することが盛り込まれた。そして維新は今回、現役世代の負担軽減のため、高齢者負担を「原則3割」に見直す公約を打ち出した。

これに対し公明は「急激な負担増になる」と問題視。12日に行われた与野党7党首の討論会では、維新の馬場伸幸代表が「3割負担をお願いすれば、病院に行かなくてもいいのでは、という人に受診を控えてもらえる」と主張したのに対し、公明の石井啓一代表は「支払いを嫌って医療にアクセスしない高齢者が増える」と批判した。

■低所得者への還付は



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