10月21日、セ・リーグクライマックスシリーズファイナルステージ第6戦、DeNA対巨人戦は、DeNAが劇的な勝利を収め、7年ぶりの日本シリーズ進出を決めました。横浜スタジアムは歓喜に包まれましたが、一方で地上波中継を行った日本テレビの実況に対しては、批判の声が殺到する事態となっています。
DeNA劇的勝利も…日テレ実況に「巨人寄り」と批判の声
3位からの下克上を狙うDeNAと、意地を見せたい巨人の対戦は、手に汗握る展開となりました。DeNAは3連勝の後、2連敗を喫し、後がなくなった状況。負けたら終わりの大一番で、DeNAは初回に巨人に先制を許す苦しい立ち上がりとなります。その後も4回に追加点を奪われ、苦しい展開が続きますが、5回に2点を返し、同点に追いつきます。
試合が動いたのは9回表、2死三塁のチャンスでDeNAのキャプテン牧秀悟選手が、6年ぶりに中継ぎ登板した巨人のエース菅野智之投手から値千金のタイムリーヒットを放ちます。これが決勝点となり、DeNAが劇的な勝利を収めました。
DeNA対巨人戦でタイムリーヒットを放ち、喜ぶDeNAの牧秀悟選手
しかし、DeNAファンの喜びとは裏腹に、試合後、SNS上では日本テレビの実況に対する批判が噴出。
「日テレの実況、露骨に巨人寄りで不快だった」
「DeNAが好プレーを見せても、全く盛り上がらないのはなぜ?」
「まるで巨人の応援放送を見ているようだった」
といった声が相次ぎました。
「親会社だから仕方ない?」スポーツ紙記者も疑問呈す
これらの批判について、あるスポーツ紙記者は次のように語ります。
「確かに今回の実況は、巨人がチャンスを迎えた際には大興奮していたのに対し、DeNAが得点圏にランナーを進めても、落ち着き払った実況だったように感じます。巨人が読売新聞のグループ会社であり、日本テレビもその傘下にあることを考えると、ある程度は仕方のないことなのかもしれません。しかし、今回は勝ったチームが日本シリーズに進出するという重要な試合。例年以上に熱が入りすぎてしまい、バランスを欠いた実況になってしまったのではないでしょうか」
また、試合終了後、DeNAの三浦大輔監督のヒーローインタビューを放送しないまま、中継を打ち切り、当初の予定を変更して、同日行われたMLBのメッツ対ドジャース戦の再放送を流したことも、ファンの怒りに油を注ぐ結果となりました。
「DeNAの勝利を祝うどころか、巨人の敗戦を悲しむような実況は、さすがにひどすぎる」
「せめて、三浦監督のインタビューくらいは放送すべきではなかったか」
など、DeNAファンからは怒りの声が上がっています。
今回の騒動は、スポーツ中継における「中立性」について、改めて考えさせられる一件となりました。