衆院選目前:非公認議員への“不可解な支援”の実態とは?

間近に迫った衆議院選挙。今回の選挙戦は、自民党内の動きが特に注目されています。石破総理が打ち出した「裏ガネ議員」への対応、そして選挙区で何が起きているのか。今回は、その実態に迫ります。

元官房長官・松野氏への地元の不満

千葉3区選出の松野博一氏千葉3区選出の松野博一氏

旧安倍派の重鎮でありながら、辛くも非公認を免れた松野博一元官房長官。しかし、地元・千葉3区では厳しい声が上がっています。

「松野氏が配っているチラシには、『私は裏ガネ問題とは無関係です』といった内容が書かれています。まるで他人事のようで、本当に反省しているのか疑問です」と、市原市の市議会議員は語ります。

地元の有力者である松野氏の後援会幹部からも、「今回は許せない」と怒りの声が。

「裏ガネ問題について、一度説明に来いと言っているのに、『そのうち行きます』と約束を反復するばかり。私はこれまで、彼を支え、多額の資金集めもしてきました。政治の世界では義理人情が大切なのに、それを理解していない」

街頭演説中の松野氏に、選挙戦への意気込みを尋ねると、「選挙が厳しい戦いであることは、最初の選挙で落選も経験しているので、よくわかっています」と答えるのみでした。

自民、公明が非公認議員を“全力応援”?

選挙ポスターを貼る様子選挙ポスターを貼る様子

4月4日、党員資格停止1年の処分を受け、石破政権以前から非公認が決まっていたのが、下村博文元文部科学大臣と西村康稔経済産業大臣です。

10月13日に行われた東京11区の公開討論会で、下村氏は「日本をどう立て直すか。日本創生は前々回の選挙から訴えている」と、石破総理の政策に賛同し、自民党の一員であることを強調しました。

討論会後、下村氏は「自民党の議員団も応援してくれています。必ず復活します」と、自信をのぞかせました。

一方、西村氏も公明党の推薦を受け、優勢を保っています。兵庫9区は、離島振興によって潤ってきた経緯から、自民党が強い地域です。地元の自民党関係者は、「西村氏は10万票は確実でしょう」と話します。

しかし、対立候補である立憲民主党の橋本慧悟氏は、元明石市長の泉房穂氏の「一番弟子」として注目されています。地元紙記者は、「橋本氏は昨年の県議選で、泉氏率いる政治団体から出馬し、圧勝しました。泉氏が衆院選後に新党を結成するとの噂もあり、橋本氏への注目度は高まっています」と語ります。

このように、今回の衆議院選挙では、非公認議員でありながら、自民党や公明党の支援を受ける候補者が目立ちます。有権者は、こうした状況をどのように受け止め、判断するのでしょうか。