BRICS首脳会議、新興国「グローバル・サウス」への影響力拡大を鮮明に

BRICS首脳会議、パートナー国新設とグローバル・サウス支援を表明

10月23日、ロシア中部のカザンでBRICS首脳会議が開催され、加盟国の首脳らが一堂に会しました。議長国ロシアのプーチン大統領は、BRICSの国際社会における重要性を強調し、加盟国の首脳らはBRICS内で13カ国が加盟する「パートナー国」の新設を確認しました。

BRICS首脳会議、新興国「グローバル・サウス」への影響力拡大を鮮明に

今回の首脳会議は、1月にイラン、エジプト、アラブ首長国連邦(UAE)、エチオピアがBRICSに加盟して以降、初めてとなる9カ国体制での開催となりました。体調不良によりオンライン参加となったブラジルのルラ・ダシルバ大統領を除く8カ国の首脳は対面で参加しました。

プーチン大統領は会議の中で、「BRICSのダイナミックな発展、影響力の高まりを目撃している。我々は膨大な潜在力を持っている」と述べ、「拡大BRICS」が経済力や人口などで先進7カ国(G7)を圧倒していると自信を示しました。

対米欧制裁に反発、中国はウクライナ和平案への支持を表明

首脳会議で採択された首脳宣言「カザン宣言」では、経済制裁について「違法で一方的な措置による破壊的な影響を深く懸念する」と明記し、ロシアやイランなどへの制裁を続ける米欧をけん制しました。

BRICS首脳会議、新興国「グローバル・サウス」への影響力拡大を鮮明に

ウクライナ情勢では、対話と外交による紛争の平和的解決を目的とする「仲介の提案に感謝する」とし、中国やブラジルの和平案を評価しました。

中国の習近平国家主席は会議で、中国が先行する再生可能エネルギーなどの分野で加盟国に協力する意向を示しました。また、国営新華社通信によると、ウクライナ問題について、ブラジルとグローバル・サウスの意見を集約していると強調し、「一刻も早く緊張緩和に取り組む必要がある」と呼びかけました。

グローバル・サウスへの影響力拡大を図るBRICS

プーチン大統領は会議で、途上国などに資金援助を行う新たな組織の設立や、食料価格の安定に資する穀物取引所の創設を提唱しました。いずれも新興・途上国「グローバル・サウス」に対する支援の一環と言えるでしょう。

今回のBRICS首脳会議は、新興国・途上国への影響力を拡大しようとするBRICSの姿勢が鮮明に示される結果となりました。