【医師監修】放置すると人工透析のリスクも!中高年から気をつけたい腎臓病の初期症状と予防法とは?

健康診断で肝臓の結果は気にしても、腎臓の状態はあまり気に留めない人は多いのではないでしょうか? しかし、中高年になると腎臓病のリスクは高まります。自覚症状がないまま進行し、最悪の場合、人工透析が必要になることも。

今回は、橋本クリニック院長の櫻井健治先生監修のもと、中高年から特に注意すべき腎臓病の種類、初期症状、予防法についてわかりやすく解説します。

中高年期に注意すべき腎臓病の種類と特徴

腎臓は、血液をろ過して老廃物や余分な水分を尿として排出する、私たちの体にとって重要な臓器です。しかし、加齢や生活習慣の影響で、腎臓の機能は徐々に低下していきます。

中高年期に特に注意すべき腎臓病には、以下のようなものがあります。

ネフローゼ症候群

腎臓のフィルターである糸球体が傷つき、本来は尿に漏れ出てはいけないタンパク質が大量に漏れ出てしまう病気です。

原因: 糖尿病、高血圧、膠原病、薬剤の副作用など

症状: むくみ、尿の泡立ち、尿量の減少、だるさ、食欲不振など

腎臓結石

腎臓内にカルシウムやシュウ酸などの結晶ができてしまう病気です。

原因: 水分摂取不足、食生活の偏り、遺伝などが影響

症状: 激しい腰や背中の痛み、血尿、吐き気、嘔吐など

腎不全

腎臓の機能が低下し、体内の老廃物や水分を十分に排出できなくなる病気です。

原因: 糖尿病性腎症、腎硬化症、慢性糸球体腎炎などが原因

症状: 初期は自覚症状が少ないですが、進行すると全身のむくみ、尿毒症、食欲不振、吐き気、嘔吐、倦怠感など

放置すると大変なことに?!腎不全のサインを見逃さないで

腎臓病の中でも特に注意が必要なのが「腎不全」です。自覚症状が出にくいため、気づかないうちに病気が進行しているケースも少なくありません。

初期の段階で適切な治療を行えば、腎機能の低下を遅らせたり、進行を食い止めたりできる可能性があります。

腎不全の初期症状として、以下のようなサインが見られる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

腎不全の初期症状

  • 尿の異常:
    • 頻尿(1日に10回以上トイレに行く)
    • 尿量の増加
    • 尿の色が濃くなる、濁る
    • 夜間頻尿
  • むくみ: 顔、手足、まぶたなど
  • 貧血: 顔色が悪い、疲れやすい、動悸、息切れなど
  • 全身倦怠感: だるさ、疲れが取れない

腎臓を守る!日常生活でできる予防法

腎臓病の予防には、生活習慣の改善が非常に重要です。

毎日の生活の中で、以下のポイントを意識するようにしましょう。

  • 塩分を控える: 1日6g未満を目安に
  • バランスの取れた食事: 野菜、果物を積極的に摂取
  • 適度な運動: 1日30分程度の有酸素運動
  • 十分な水分補給: 1日1.5~2Lを目安に
  • 禁煙: 腎臓の血管にダメージを与える
  • 定期的な健康診断: 早期発見・早期治療のために

まとめ|腎臓は「沈黙の臓器」 早期発見・治療が重要

腎臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれ、初期段階では自覚症状が現れにくい病気です。

しかし、放置すると人工透析が必要になるなど、生活の質を大きく低下させてしまう可能性があります。

今回ご紹介した腎臓病の知識を参考に、ご自身の体のサインを見逃さないようにしましょう。

そして、健康的なライフスタイルを心がけ、腎臓をいつまでも健康に保つようにしてください。