日本の衆議院選挙では、多くの政党が「最低賃金1500円」を公約に掲げています。一見、魅力的な政策に聞こえますが、本当に実現可能なのでしょうか?特に、多くの中小企業にとって、大きな負担となる可能性も指摘されています。
中小企業の声:倒産のリスクも?
従業員を多く抱えるスーパーマーケット「アキダイ」の秋葉社長は、最低賃金1500円に憤りを感じています。
アキダイ秋葉社長
「最低賃金1500円で生活が豊かになるというのは大間違い」と語る秋葉社長。
年間1000万円近い人件費増加が見込まれる中、中小企業にとっては死活問題と言えるでしょう。
日本商工会議所の小林健会頭も、「(賃金を)払えなくて、人間を手放してしまう。あるいは倒産する。」と警鐘を鳴らしています。
専門家の見解:賃上げは避けられない?
UBS証券の風早隆弘シニアアナリストは、「低い賃金の方を大量に雇って、それで店舗運営することによって存在していた店は立ちいかなくなる」と指摘します。
一方で、経済同友会の新浪剛史代表幹事は、「1500円にしないということは、ある意味、ダメな企業を補助することになる。払わない経営者は失格」と、企業側の努力不足を指摘しています。
企業はどう対応する?ユニクロや回転寿司チェーンの取り組み
では、企業はどう対応すれば良いのでしょうか?
参考になるのが、ユニクロや回転寿司チェーンの取り組みです。
ユニクロは自動レジや倉庫の自動化を進めることで、従業員数を減らしながらも、時給を大幅に引き上げることに成功しました。
ユニクロのセルフレジ
回転寿司チェーンでも、注文や会計の自動化が進んでいます。
これらの企業は、安い労働力に頼らないビジネスモデルへと転換しつつあります。
風早氏は、「(賃金の高い)新しい世界では、実は良い会社に生まれ変わるチャンスすらある」と述べています。
まとめ:最低賃金引き上げは、日本経済の転換期となるか?
最低賃金1500円の実現には、中小企業への支援策が不可欠です。
各党は、具体的な支援策を示した上で、議論を進める必要があります。
最低賃金引き上げをきっかけに、日本経済全体が活性化することを期待したいですね。