武蔵小杉の学校法人、住み込み用務員への賃金未払い問題で波紋:ライフライン停止で人権侵害の訴え

武蔵小杉駅近くの学校法人大西学園で、住み込み用務員の2人が未払い賃金の請求後に用務員室からの立ち退きを求められ、ガス、電気、水道も停止されたとして、人権侵害を訴える記者会見を開きました。この問題は、教育現場における労働環境の課題を改めて浮き彫りにしています。

賃金未払いから始まった長期紛争

2014年から大西学園で住み込み用務員として勤務していたAさんとBさんは、月給約16万円で正門の開閉、トイレ清掃、庭掃除などの業務に従事していました。しかし、この賃金は神奈川県の最低賃金を下回っていたため、労働組合「プレカリアートユニオン」に加入し、未払い賃金の請求を行いました。

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当初、学園側は最低賃金割れを事実上認める姿勢を見せていましたが、その後交渉は難航。AさんとBさんが街宣活動などを行った結果、学園側は2025年3月14日に2人に対し停職処分を下し、用務員室からの立ち退きを要求しました。

法廷闘争とライフライン停止:エスカレートする対立

2人は未払い賃金約1152万円の請求訴訟と、用務員室の占有使用妨害禁止を求める仮処分を横浜地裁川崎支部に申し立てました。しかし、学園側はこれに対し、用務員室の電気、ガス、水道といったライフラインを停止するという強硬手段に出ました。

Bさんは電話での会見参加で、「寒くて暗く、温かい食事や入浴もできない。これは殺人と同等の人権侵害だ」と学園側の行為を強く非難しました。労働問題に詳しい専門家、山田一郎氏(仮名)は、「ライフラインの停止は住居からの強制退去を目的とした違法行為の可能性が高い。早急な法的措置が必要だ」と指摘しています。

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長引く紛争の行方:教育現場の責任

この問題は、賃金未払いという労働問題から、住居の占有、そしてライフライン停止による人権侵害へと発展しています。90年以上の歴史を持つ大西学園は、教育機関としての社会的責任を問われることになりそうです。今後の裁判の行方、そして学園側の対応に注目が集まります。

まとめ:教育現場における労働環境の改善に向けて

今回の事件は、教育現場における労働環境の改善の必要性を改めて示すものとなりました。学校法人として、教職員だけでなく、用務員を含む全ての職員の労働条件を適切に整備し、安心して働ける環境を作る責任があります。この問題を契機に、より良い労働環境の実現に向けた取り組みが進むことを期待します。