和歌山2区選挙戦:石破首相応援演説も「二階王国」に異変?

和歌山2区は、今回の衆議院選挙で全国の注目を集める選挙区の一つです。自民党を離党し無所属で出馬した世耕弘成氏と、引退した二階俊博元幹事長の後継である二階伸康氏の戦いは、早くも熾烈を極めています。10月20日、伸康氏の応援のため石破茂首相が和歌山入りしましたが、「二階王国」と呼ばれたこの地にも変化の兆しが見え始めています。

厳戒態勢の中、石破首相が演説

昨年4月、和歌山県内では岸田文雄首相(当時)の応援演説中に爆弾テロ事件が発生しました。さらに、石破首相の和歌山入り前日には、自民党本部への火炎瓶投げ込み事件や首相官邸付近での車両突入事件も発生。このような状況を受け、海南市のJR南海駅前で行われた石破首相の演説会では、厳重な警備態勢が敷かれました。

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石破首相と聴衆の間には20メートル以上の「空白地帯」が設けられ、メディアの取材エリアはさらに30メートルほど離れた場所に設定されました。

世耕氏のリードが鮮明に

自民党和歌山県連は、石破首相の応援演説に1000人の動員を目指していましたが、実際に集まったのは300人ほど。日曜日の朝という時間帯も影響したと考えられますが、和歌山2区の選挙情勢が人々の関心を薄れさせている可能性も指摘されています。

和歌山2区は、当選13回を誇る二階元幹事長の長年の地盤でした。一方、世耕氏は参院和歌山選挙区で5回当選し、経済産業相や参院幹事長などを歴任してきた実力者です。

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世耕氏はこれまで衆院への鞍替えを模索していましたが、二階氏が裏金問題の責任を取る形で引退し、伸康氏を後継に指名したタイミングを好機と見て、衆院選への出馬を決意しました。

自民党は伸康氏を公認候補として手厚くサポートしていますが、世耕氏は安倍派5人衆の一員として裏金問題で処分を受け、無所属での出馬を余儀なくされました。当初は、伸康氏に対する世襲批判がある一方で、世耕氏との接戦が予想されていました。

しかし、各種世論調査の結果では、世耕氏が大きくリードしていることが明らかになっています。「二階王国」と呼ばれた和歌山2区で、政権交代の可能性も囁かれ始めています。