浅草資産家一家で起きた連続殺人事件で、警視庁は25日にも細谷健一（43）と妻の志保（38）両容疑者を再逮捕する方針を固めた。2018年に健一容疑者の父親・勇さん（当時73）にエチレングリコールを摂取させて殺害した疑い。すでに夫婦は次女の美輝ちゃん（当時4）と健一容疑者の姉の美奈子さん（当時41）を殺害した容疑で逮捕されており、3度目の逮捕となる。警視庁は勇さんや美奈子さんと同時期に亡くなった健一容疑者の母親の死についても夫妻の関与を疑っているという。
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不凍液に使われる「エチレングリコール」で家族を次々と…
すべては次女・美輝ちゃんの死から始まった。
2023年3月13日、美輝ちゃんは細谷夫妻が住む東京・浅草のマンションで瀕死の状態で見つかった。119番通報したのは健一容疑者で、病院に担ぎ込まれたがまもなく亡くなった。遺体からは車の不凍液に使われるエチレングリコールと睡眠薬・オランザピンが検出された。
子供が誤飲するはずのない毒物が検出されたことから、警察は夫妻が殺害したとみて捜査を開始。すると6年前にも3人の親族がたった半年の間に立て続けに亡くなっていたことが判明したのだ。
・2018年1月21日 健一容疑者の母親（当時68）
・2018年4月29日ごろ 健一容疑者の姉・美奈子さん（当時41）
・2018年6月5日 健一被告の父親・勇さん（当時73）
当時、3人は病死と判断され荼毘に付されていたが、美奈子さんを行政解剖した東京都監察医務院が研究目的で腎臓を研究目的で保存していた。腎臓からはエチレングリコールが体内に入った場合に確認される「シュウ酸カルシウム」が検出。警視庁は両容疑者を、今年2月14日に美輝ちゃん、3月6日に美奈子さんを殺害した容疑で逮捕した。
難航する捜査
さらに捜査を進めると、健一容疑者の父親の血液と血液検査の結果が病院に保存されていることも判明。徹底して調べたところ、勇さんがエチレングリコールを摂取していた疑いが強まったのである。
「勇さんは1年以上前から入退院を繰り返しており、亡くなる1～2カ月くらい前には口が聞けなくなるほど体調が悪化していた。警視庁は夫妻が複数回にわたって勇さんの飲食物にエチレングリコールを混入させるなどして、摂取させたと見ています」（警視庁担当記者）
残る母親についても詰めの捜査が続いている。
「母親については証拠が残っていない模様。状況証拠の積み重ねで立件できないか検討を重ねているところです」（同）
これで3件目の立件となったが、入り口となった美輝ちゃん殺害容疑については処分保留になっておりまだ起訴されていない。だが、今後起訴する方針は固まっているという。
「犯行時間帯に健一容疑者が在宅していたか否かがまだ判然としていませんが、少なくとも志保容疑者は起訴される見込みです」（同）
