「もう無理…」 運動中に感じる、この限界の正体は何でしょうか?実は、筋肉ではなく「脳」が大きく関係しているんです。順天堂大学大学院の和氣秀文教授は、「運動中の苦しさは、脳が作り出す限界信号であり、パフォーマンスを左右する鍵」だと指摘しています。
運動と脳の密接な関係
筋肉を動かし続けるには、酸素とエネルギーが必要です。それらを運ぶ血液の循環をコントロールしているのが「自律神経」です。運動中は、体を活動的にさせる「交感神経」が活発になり、心拍数を上げたり、血管を収縮させて血圧を上げることで、筋肉に大量の血液を送ります。
なぜ「苦しい」と感じるのか?
運動を続けると、筋肉には疲労物質が溜まっていきます。その情報が脳に伝わることで、「苦しい」という感覚が生じます。これは、体が「これ以上運動を続けると危険」と警告を発しているサインなのです。
疲労物質と脳内物質の働き
筋肉に溜まる疲労物質には、乳酸や水素イオンなどがあります。これらの物質が、脳内の特定の部位に作用することで、不快な感覚や疲労感を引き起こすと考えられています。
一方、運動によって分泌されるドーパミンやエンドルフィンといった脳内物質は、快感や幸福感をもたらし、疲労感を軽減する効果があります。
運動の限界を突破する方法
脳が疲労を感じにくくすることで、運動の限界を突破できる可能性があります。
呼吸法の改善
深い呼吸は、副交感神経を優位にし、リラックス効果をもたらします。運動中は意識的に深い呼吸を心がけることで、疲労物質の蓄積を抑え、運動の継続時間を延ばせるかもしれません。
目標設定とイメージトレーニング
明確な目標を設定し、達成イメージを鮮明に描くことは、モチベーション維持に繋がり、疲労感を感じにくくする効果が期待できます。
適度な休憩
運動中に疲労を感じたら、無理をせず、こまめな休憩を挟むことが大切です。休憩することで、疲労物質の分解を促進し、体力回復を図ることができます。
まとめ
運動中の「苦しい」という感覚は、脳が発信する限界信号です。しかし、脳の働きを理解し、適切な方法を取り入れることで、その限界を超え、パフォーマンスを向上させる可能性を秘めていると言えるでしょう。
alt運動中の集中力やモチベーションを高めるには、軽い運動もおすすめです。