世界を席巻する韓国ドラマ! 日本との違いは?

近年、NetflixやAmazonプライムビデオで配信される韓国ドラマが世界中で人気を博しています。Netflixの『イカゲーム』や『愛の不時着』、『梨泰院クラス』など、数々のヒット作が生まれています。

なぜ韓国ドラマはこれほどまでに成功しているのでしょうか?

韓国ドラマ隆盛の理由:巨大資本と革新的な制作体制

日本のAmazonプライムビデオでオリジナルコンテンツ製作責任者を務めた早川敬之氏によると、韓国ドラマの成功には「資本の論理で動く下部構造と、それを駆動するものづくりの工夫」が大きく関係しているといいます。

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配信事業者の台頭による制作会社の変化

2010年頃から、Netflixのような国境を越えた配信事業者が台頭してきました。これにより、従来は放送局の下請け的な立場だった制作会社が、自ら知的財産権を持ち、世界市場を視野に入れた作品作りをするようになりました。

例えば、『愛の不時着』などを制作した韓国のスタジオ・ドラゴンは、創業からわずか数年で放送局以上の時価総額を持つ企業に成長しました。

ハリウッド型の競争が促進

優秀な制作会社は高額な報酬で人材を集め、質の高い作品作りに力を入れています。

配信ドラマ制作会社の数を見ても、日本では10社程度なのに対し、韓国・ソウルでは150社以上がひしめき合っています。

「ショーランナー」の存在

韓国ドラマの制作現場では、「ショーランナー」と呼ばれる役割が重要視されています。ショーランナーとは、プロデューサーと監督の間に立ち、脚本家チームを率いて脚本制作から演出、予算管理まで、作品全体の統括を行う責任者のことです。

日本では1人の脚本家が全話を担当することが多いですが、ハリウッドでは複数の脚本家がチームで脚本を書くことが一般的です。韓国もこのハリウッド式を取り入れています。

例えば、『ザ・クラウン』のショーランナーであるピーター・モーガンは、シーズン6まで続く全60話の物語全体を構築しています。

まとめ:日本ドラマが学ぶべき点

韓国ドラマの成功から、日本ドラマが学ぶべき点は多くあります。

  • グローバルな配信市場を意識した作品作り
  • 優秀な人材を集め、競争を促進する環境作り
  • 「ショーランナー」など、新しい制作体制の導入

これらの要素を取り入れることで、日本ドラマも世界で戦えるコンテンツへと成長していくことが期待されます。