死刑当日に執行停止に…全米注目の“娘殺し”の父親は冤罪か?筆者が見たアメリカの死刑 薬物注入で「静かな最期」


【画像】死刑囚が横たわったストレッチャーには拘束具が付いていた

「揺さぶられっ子症候群」でアメリカ初の死刑か

2002年、アメリカ・テキサス州で当時2歳だった女の子、ニッキ・カーティスちゃんが死亡した。原因とされたのは「揺さぶられっ子症候群」(乳幼児揺さぶられ症候群)。逮捕されたのは、父親のロバート・ロバーソン(当時35)だった。

ニッキちゃんは生まれつき病弱で、父親のロバートは何度も救急病院に連れて行っていたという。ロバートの証言によると、2002年1月31日の朝、目覚めるとニッキちゃんはベッドから落ちてぐったりしていた。その後、唇があおむらさき色になり意識がなかったため、抱きかかえて病院に運んだものの、翌日死亡が確認された。死因は「揺さぶられっ子症候群」による脳の損傷とされた。

医師たちは娘の死に際してもあまり感情を見せず、無反応なロバートを見て虐待を疑い、通報。ロバートは逮捕され、強盗の前科などもあったことから裁判で死刑判決を言い渡された。

死刑執行の当日に「一時停止」

事態が動いたのは、10月17日。死刑執行当日のことだった。テキサス州の最高裁判所が、刑の一時停止を決定。ロバートの薬物注射による死刑執行はひとまず回避されたのである。

日本に比べて格段に透明性の高いアメリカの死刑制度

アメリカは日本と並んで先進国としては数少ない「死刑制度のある国」だ。しかしアメリカと日本では大きな違いがある。それは「透明性」だ。死刑制度が残る州では刑執行の際、必ず報道記者の立ち会いを義務づけている。



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