2016年、ミャンマー北部で発見された9900万年前の琥珀。その中にはなんと、ホタルが閉じ込められていました! この度、このホタルが中生代後期に生息していた未知の種であることが判明し、古代の夜空を彩っていた光に再びスポットライトが当たっています。
中生代のホタル、2例目の発見
中生代のホタルの化石は非常に珍しく、これまでに確認されていたのはわずか1種のみ。2015年に発見されたそのホタルの研究から、ホタルが飛行中に発光する能力を少なくとも1億年前には獲得していたと推測されていました。
琥珀に閉じ込められたホタル
しかし、ホタルの体は柔らかく、化石として残りにくいのが現状です。そのため、ホタルの発光能力が進化した正確な時期を特定することは困難とされてきました。
「フラマリオネラ・ヘハイクニ」と命名
今回発見された新種のホタルは、「フラマリオネラ・ヘハイクニ」と名付けられました。 英国王立協会の紀要に掲載された論文によると、この発見はホタルの進化の歴史、特に発光器官の進化を解明する上で重要な手がかりになると期待されています。
論文の筆頭著者である中国科学院南京地質古生物研究所の蔡晨陽教授は、「この化石は、ホタルの進化における空白を埋める重要なピースです。腹部にある発光器官などの主要な特徴が、白亜紀中期から変化していないことを示しています」と述べています。
1億年前のホタルの光は?
現代のホタルは、主に防御、コミュニケーション、そして求愛のために光を発します。1億年前のホタルの光がどのようなものだったのか、想像力を掻き立てられますね。もしかしたら、現在のホタルと同じように、古代の森の中で幻想的な光を放っていたのかもしれません。
ホタルの発光器官
今回の発見は、古代の地球に存在した生命の多様性と進化の歴史を私たちに教えてくれます。そして、現代の科学技術をもってしても、まだまだ解明されていない謎が多く残されていることを実感させてくれます。