織田裕二不在の「踊る」に柳葉敏郎困惑…異例の2部作公開の裏側

12年ぶりの新作として公開され、好調な滑り出しを見せている映画『室井慎次 敗れざる者』。しかし、主演の柳葉敏郎さんは、オファーを受けた当初、戸惑いを隠せなかったようです。一体なぜなのでしょうか?

青島不在、舞台は秋田…柳葉敏郎も困惑した新シリーズ

シリーズを通して主人公・青島俊作を演じてきた織田裕二さん不在の中、柳葉さん演じる室井慎次を主人公に据えた新作映画。警察を早期退職し、家族と穏やかに暮らす室井が、過去の事件に関連する死体を発見するところから物語が始まります。

注目すべきは、舞台が柳葉さんの故郷である秋田であること、そして室井と養子の少年2人との静かな「家族のドラマ」が描かれている点です。過去のシリーズ映像も使われているものの、織田さんの名前はクレジットにもありません。

元々は配信ドラマだった!? 異例の2部作公開の理由とは

実はこの作品、当初は有料動画サービスでの配信ドラマとして企画されていたそうです。しかし、フジテレビ内部から「ドル箱シリーズを配信のみにするのはもったいない」という声が上がり、劇場公開へと方針転換。

そのため、既にドラマ用の長編脚本や撮影体制が準備されていたことから、その内容を1本の映画に収めることができず、異例の2部作として公開されることになったと言われています。

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ゆっくりと作品作りをしたい柳葉敏郎の思い

柳葉さんは、長女の小学校入学を機に、12歳年下の奥様とともに故郷の秋田県に移住しています。現役バリバリの45歳での決断は、「家族との時間を大切にしたい」という強い思いがあったからこそでしょう。

移住後は、連続テレビ小説『ブギウギ』への出演など、コンスタントに活動しているものの、以前のようなペースではありません。視聴率に左右されない配信作品であれば、じっくりと作品作りに集中できるという思いもあったのかもしれません。

しかし、局側の都合で劇場公開という形になったことで、観客動員数や興行収入を意識せざるを得ない状況になってしまったのではないでしょうか。

スローライフを送る室井と柳葉さんの姿を重ねて…

劇中では、秋田でのスローライフから一転、最前線に呼び戻される室井の姿が描かれています。その苦悩する姿は、どこか現在の柳葉さんの心境と重なって見えるような気もします。

果たして、この異例の2部作は、観客にどのような感動を与えるのでしょうか?そして、柳葉さんはこの作品を通して何を伝えようとしているのでしょうか?