【ワシントン＝池田慶太、ロンドン＝蒔田一彦】英与党・労働党の党員らが米大統領選で民主党候補のハリス副大統領の選挙活動を手伝う計画が明らかになり、波紋が広がっている。共和党候補のトランプ前大統領の陣営は大統領選への「露骨な干渉」と反発し、米連邦選挙委員会（ＦＥＣ）に苦情を申し立てた。トランプ氏が当選すれば、米英関係の不安要素になりそうだ。
トランプ陣営反発
騒ぎの発端は、今月の労働党スタッフによるＳＮＳへの投稿だ。ハリス氏支援のため激戦州に労働党員ら約１００人が向かうとし、まだ空きがあると募集をかけた。米国では、無償のボランティアなどの要件を満たせば外国人も選挙運動に加わることができる。
トランプ氏の陣営は２２日の書簡で、労働党員らの実態調査をＦＥＣに求めた。書簡は１８世紀の独立戦争に触れ、「労働党とハリス陣営は、米国が英国からの政治的独立を勝ち取ったというメッセージを忘れたようだ」と皮肉った。保守系ＦＯＸニュースは「英国の侵略」と報じている。
労働党党首のスターマー英首相は２３日、「党員らは空き時間にボランティアとして行っている」と記者団に述べ、問題はないとの認識を示した。同党報道担当者は、米国滞在費などは自己負担だと説明している。
