日本の未来を占う衆議院議員選挙が間近に迫っています。今回の選挙は、石破茂首相にとって、まさに正念場と言えるでしょう。
各種メディアの情勢調査によると、自民党と公明党を合わせた与党でさえ、過半数(233議席)獲得が危ぶまれています。石破首相は「自公で過半数」を勝利のラインとしており、もし達成できなかった場合は、責任を取って内閣総辞職も視野に入れなければならないかもしれません。
安倍政権時代とは異なる、今回の選挙の様相
ある政治学者は、今回の選挙を「保守の岩盤支持層が眠っている選挙」と表現しています。
2012年に安倍晋三氏が自民党総裁に返り咲いて以来、自民党は4回の衆院選で、294、290、281、261議席を獲得し、圧倒的な強さを見せてきました。2021年の衆院選は、確かに岸田文雄総裁の下で行われましたが、安倍氏の影響力は健在で、自民党の勝利に大きく貢献しました。
石破首相、楽観視は禁物? 過去の教訓から学ぶべきこと
しかし、9月の総裁選で、安倍氏の「政敵」とも言える石破氏が選出されたことで、状況は一変しました。安倍氏を支持していた「岩盤支持層」が、石破氏に冷淡な視線を向けているのも無理はありません。
石破氏自身は、ここまで劣勢になるとは予想していなかったのではないでしょうか。
これまで、様々な世論調査で「次の首相」候補として常に上位にランクインし、「国民からの人気が高い」と自負していたからです。
実は、このような状況は、過去にもありました。
橋本政権の二の舞になるのか?
1998年、当時の橋本龍太郎首相は、石破首相と同じ慶應義塾大学出身で、国民的人気も高い首相でした。
同年7月の参院選では、当初は橋本首相の人気もあり、自民党が60議席以上を獲得するとの見方もありました。しかし、蓋を開けてみれば、橋本首相らの恒久減税に関する発言のブレなどが影響し、17議席減の44議席という惨敗を喫してしまいました。
その結果、橋本首相は、投票日の夜に退陣を表明するという事態に追い込まれたのです。
世論調査を読み解くことの重要性
当時の状況を振り返ってみると、世論調査の結果には、すでに危険信号が灯っていました。
高い支持率を誇っていた橋本内閣でしたが、前年9月の内閣改造で、ロッキード事件で有罪が確定した佐藤孝行氏の入閣を強行したことが批判を浴び、支持率が急降下。参院選前の5月には、ついに支持率が30%を割り込むまでになっていたのです。
橋本龍太郎首相
石破首相は、この歴史の教訓を生かすことができるのか?
石破首相は、過去の教訓から何を学び、どのようにこの困難な状況を乗り越えていくのでしょうか?
今後の動向から目が離せません。