「首都圏連続強盗」で使われた“シグナル”は「FBIでも解析困難」 テレグラムよりも高度に暗号化…警察は本当に主犯格までたどりつけるか?


「シグナル」を使用

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 警視庁の親家和仁刑事部長が、埼玉・千葉・神奈川3県警との合同捜査本部設置に際し、こう宣言したのは10月18日のことだった。関連があるとみられる14事件のうち、25日現在で11事件の実行役が逮捕されているが、彼らの多くはX(旧ツイッター)で闇バイトに応募。リクルーター役から、スマートフォンに通信アプリ「シグナル」をインストールするように指示されていた。その後、指示役とのやり取りも、この「シグナル」を通じて行われている。

「『シグナル』は、2013年に米国のソフトウエア開発団体が開発したものです。2013年に米国家安全保障局(NSA)が行った個人情報収集活動を暴露し、その後、ロシアに亡命したエドワード・スノーデン元CIA職員が、アプリの秘匿性を評価したことで注目を集めました」(国際ジャーナリストの山田敏弘氏)

 そのセキュリティー性の高さから、2017年5月からは米国の上院議員間の連絡手段として使用が認可されている。日本語に対応しており、ラインのようにスマホにインストールすれば電話帳との同期も可能だという。また、「シグナル」と並んで、秘匿性の高い通信アプリとして「テレグラム」も知られている。

「これはロシア出身の技術者によって開発されました。『シグナル』と同様、通信内容が高度な暗号化技術で保護されています。シークレットチャットという機能を使い、メッセージを送信する際にタイマーを設定すると、その時間にメッセージを消去させることができます」(同)

 2017年4月、ロシア・サンクトペテルブルクの地下鉄で14人が死亡した自爆テロの準備段階で、テレグラムが使用されたという。日本でこうしたアプリが悪用されていることが判明したのは2018年ころ。暴力団関係者や特殊詐欺グループが関係先や仲間内で使用し、保護された通信内容を消去されると、復元が極めて困難であることが分かった。

「覚せい剤密輸事件や違法薬物の売買、また、特殊詐欺で被害者から現金を受け取りに行く“受け子”を雇う際などで使われていました。現場の実行役を捕まえても、本丸までたどり着くことが難しいことを把握したのはこの頃からです。こうしたアプリが一気に知られる事になったのが、2022~23年にかけて起きたルフィ事件でした。この事件ではテレグラムが使用されていましたが、実行役らから押収したスマホには、複数人のグループチャットの記録が残されていました。自動消去の設定をしていなかったようです」(警察庁担当記者)

 こうした、わずかな手掛かりをもとに、警視庁は今村磨人被告ら、主犯格の逮捕にこぎつけたという。



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